2025年2月5日(水)
いま「赤旗」を 注目の紙面
現役社員と横暴暴く
![]() (写真)トヨタのマニュアルを報じた1月13日付の記事 |
「トヨタの労災隠しを告発したい」と、本紙の取材に応じたトヨタ自動車の現役社員Aさん。Aさんは「自民党の裏金問題のスクープをしたのが『赤旗』と知り、告発を託せると思った」と言います。
トヨタの労災隠しを取材する上で、カギとなったのが「〈最新〉労災手続きマニュアル」という黄色い冊子です。業務に伴う腰痛や手足の痛みといった「疾病」の場合、発症した労働者が労災での受診を希望しても、一律に「とりあえず健康保険」で受診するよう指示する社内マニュアルでした。
Aさんが語ったのは、労災を隠そうとするトヨタの体質でした。自身が膝の靱帯(じんたい)損傷にいたるまでの過酷な労働、「これは労災だ」と確信しながら上司の指示で健康保険での受診をしたこと、自身の判断で労災扱いでの受診にしたところ、複数の上司から高圧的に「健康保険で」「それがトヨタのルールだから」と言われる面接…。
トヨタは本紙に、マニュアルの内容を認める一方で、労災だと「認定するまでの間、被災者が費用を全額負担せざるを得ない場合がある」と主張。まるで、ケガした労働者のために、「とりあえず健保」を勧めているかのような説明でした。
本紙は並行して、厚生労働省にも取材。労災の可能性があるのに健保で受診すると、かえって労働者の負担が増え、「望ましくない」との回答を得ました。社員のAさんとともに世界のトヨタの横暴を粘り強く明らかにしました。