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2025年1月27日(月)

NHK日曜討論 小池書記局長の発言

 日本共産党の小池晃書記局長は26日のNHK「日曜討論」に出演し、通常国会の論戦にどう臨むかについて各党幹部と討論しました。

二つのゆがみ 表れた予算案

 はじめに、2025年度予算案について議論になりました。

 小池氏は、予算案について「社会保障費の伸び率はわずかで、介護報酬は引き下げ、年金も物価を下回り実質マイナスだ。暮らしに冷たい予算だ」と批判。一方、軍事費は過去最高の8・7兆円に上り、半導体大企業には補正予算と合わせて1・9兆円の巨額を投じていると指摘し、「アメリカ言いなり、大企業優先という日本の政治のゆがみがはっきりと表れた予算案だ。抜本的な組み替えを求めていく」と述べました。

 自民党の佐藤正久幹事長代理は、衆院で少数与党となる中で「試練の国会になる。野党と向き合い修正すべきは修正する」と年度内成立を意識した発言に終始。立憲民主党の小川淳也幹事長は「予算の特徴がよく見えない」と述べるにとどめ、明確な改善点は示しませんでした。

 日本維新の会の岩谷良平幹事長は「社会保障費に『改革』のメスを入れなければならない」などと社会保障費削減を主張。国民民主党の榛葉賀津也幹事長は「交渉次第で(予算案)の賛否は変える」と与党を揺さぶりました。

教育・学校給食費無償化

 つぎに、教育の無償化や学校給食費の無償化が議論になりました。

 小池氏は、教育の無償化は直ちにやるべきだとした上で、無償化に逆行する大学の学費値上げをまずは止めるべきだと主張。学校給食の無償化は「共産党は1951年から国会や地方議会で求めてきた。学校給食の無償化は憲法の要請でもある。これも直ちにやるべきだ」と述べました。

 各党もこれらの政策課題は早期に実現すべきだと主張。ところが、財源については、「どうやったらできるか議論している」(公明党の西田実仁幹事長)、「過去最大の税収なのだから財源はある」(榛葉氏)、「財政出動でやればいい」(れいわ新選組の長谷川ういこ参議院政策委員)などと無責任な発言が相次ぎました。

 小池氏は、経済協力開発機構(OECD)36カ国で日本政府の教育支出はワースト3位である一方、軍事費はこのまま増やせば世界第3位になると指摘し、「国を守るというのであれば、5年で43兆円の大軍拡を止め、国づくりの根幹である教育に充てるべきだ」と主張。財源の根本を見直す提案を示しました。

税のゆがみただす

 「年収の壁」を巡る議論で、小池氏は、課税最低限の引き上げは当然だとした上で、「ただ、今の政府案の年収123万円への引き上げでは、年収200万~300万円だと年間5000円ぐらいの減税にしかならない。しかも年収103万円に届かない3000万人以上は取り残されてしまう」と指摘。消費税を緊急に5%に減税し、インボイスを廃止にすれば直接の物価高対策になり、中小企業支援にもなると強調しました。

 また、財源については“税のゆがみ”をただすことが重要だと強調し、大企業・富裕層への行き過ぎた減税をただすとともに、「所得1億円の壁」を取り除くことも必要だと主張。「自民党はどの野党の要求をのめば安上がりになるかとてんびんにかけているが、国民の暮らしそっちのけだ。野党も助け舟を出すべきではない」と断じました。

自民党の裏金事件

 自民党の裏金事件を巡る政治改革も議論になりました。

 最大焦点となる企業・団体献金の禁止については、小川氏が「30年前の政治改革の時からの約束だ。決着をつけるべきだ」と述べる中、佐藤氏は「われわれは禁止より、公開という立場だ」と拒否。榛葉氏も「政治にはお金がかかる。それを政党交付金にだけ頼っていいのか」と企業・団体献金の継続を事実上容認しました。

 小池氏は、企業・団体献金の本質は賄賂性だと批判し、「公開ではなく、企業・団体による政治資金パーティー券の購入も含めた全面禁止にすべきだ」と主張。また、新たに「しんぶん赤旗」日曜版のスクープにより、都議会自民党でも裏金づくりが発覚していると紹介した上で、「自民党東京都連の歴代会長は旧安倍派幹部で裏金づくりの中心にいたとされる人物だ。都議もこうした国会議員のやり方を学んで忠実にやってきたのではないか。旧安倍派幹部の証人喚問、会計責任者の国会招致が必要だ」と強調しました。

夏の参院選に向け

 最後に、夏の参院選に向け、今国会で何を重視して取り組むかが問われました。

 小池氏は、米国のトランプ政権が、北大西洋条約機構(NATO)加盟国に軍事費を国内総生産(GDP)比5%への引き上げを求めており、日本にもGDP比3%への引き上げを求めてくる懸念があると指摘。「こんな要求通りに進めたら、平和も、暮らしも、財政も壊れる。日米同盟絶対の思考停止の政治でいいのか」「そういう政治ではなく、東アジアの全ての国を包み込む平和の枠組みをつくっていく。憲法9条を持つ日本の進むべき道はここにあると、参院選でも正面から問うていきたい」と述べました。


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