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2025年1月13日(月)

第4回中央委員会総会

田村委員長の結語

 日本共産党の第4回中央委員会総会の2日目(11日)に田村智子委員長が行った結語は次の通りです。

総会の全体の特徴について

写真

(写真)結語を述べる田村智子委員長=11日、党本部

 この総会では71人が発言を行いました。そして志位和夫議長が中間発言を行いました。討論をつうじて、政治論でも、党活動の方針でも、コンパクトに論点をまとめた決議案の提起が、全国の悩みに応え、党の新しい発展の道を照らしだすものとして、強く歓迎されました。決議案にかみ合った討論が続き、内容が豊かに深められました。総会は大きな成功を収めたと確信するものです。

 全国から1万4203人の方が報告を視聴されました。感想文は610人から届いています。「総選挙後のモヤモヤが一気に吹き飛ぶような、論理的で攻勢的な中身」、あるいは「支部で同時視聴した同志からLINEが届いた。『よし、やるぞ!』と…それを見てますます元気になった」など、明るく元気な感想がたくさん寄せられています。

政治論が活発に議論され深められた

 政治論が活発に議論されて深められたことが、討論の重要な特徴でした。

 参議院選挙の政治的訴えについて積極的な議論が行われました。どこを握れば勝機がつかめるかが、討論でも浮きぼりになりました。

 一つは、要求にこたえる五つの政策的訴え――政治とカネ、暮らし、平和、環境、ジェンダーの柱と一体に、財界・大企業中心、日米軍事同盟絶対という「二つのゆがみ」を正す「ホンモノの改革の党」、これを語りぬくことです。

 二つ目に、経済論戦で、五つの分野での政策的提起を豊かに語るとともに、「暮らしのための積極財政の提案を責任ある財源論とセットで掲げる唯一の党」であることを、確信をもって広げぬくことです。

 そして三つ目に、「人間の自由」が豊かに花開く未来社会をめざす党、「共産主義と自由」、党の組織と活動の魅力、戦後80年、103年の歴史の生命力など、党のもつ魅力を自分の言葉で、受け身でなく、攻勢的に広げぬくことです。「受け身でなく、攻勢的に」、ここが大切です。

 この三つの内容はどれも日本共産党でなければ語れない党ならではの魅力です。それを握って奮闘しぬくことは、自民党を追い詰め、自民党政治を終わらせる道をひらくことになります。同時に、そうしてこそ、野党の中での日本共産党の値打ちも光らせることができます。

 高知の春名県委員長からは、4中総決議案について、「全体が総選挙の真剣な総括のうえに立ち、提起されたものだということが理解できた」と発言がありました。

 決議案の政治論の全体を、志位議長の中間発言とともにつかむことで、その中に総選挙の教訓を踏まえた発展的提起が盛り込まれていることを深くとらえて、全党の認識にする。ここが重要だと思います。

 志位議長の中間発言では、「暮らしの困難に心を寄せ、勇気をもって真実を訴えよう」と強調されました。党の政策と立場を伝えきるならば、日本の現状を憂え、打開を求める国民は必ず理解してくれる。そのことに確信を持ち、決議案の内容を、さらにわかりやすい言葉を磨いて、広く国民に伝えきろうではありませんか。

 ここで強調したいのは、参議院選挙の半年前の時点で、これだけのまとまった政治論戦の基調を明らかにしたことは、これまでにないことだということです。この内容を全党がつかんで、半年間、国民の中にそれを伝えきれば、必ず党を浮上させ、勝機をつかむことができる。みんなの力で躍進を必ず勝ち取ろう。このことを心から呼びかけるものです。

国際的視野と世界観的確信をもって

 参議院選挙を、広い視野、深い理論的確信をもってたたかううえでも、世界をどうとらえ、どう働きかけるかという国際的視野、綱領と科学的社会主義にたいする世界観的確信が重要になります。

 討論では、志位議長の新春インタビューについて深める発言が出されました。「東アジア平和提言」がアジアでも欧州でも通用する普遍的意義をもっていること、核兵器禁止条約の成立と発展に被爆者とともに日本共産党が果たした貢献、ガザへのジェノサイド・ストップなどでの国際的響きあいと連帯が語られました。トランプ氏が次期米大統領になり、日本への負担増の要求が軍事でも経済でも一段とエスカレートすることが予想されるもとで、「日米同盟絶対」でいいのかが厳しく問われるとの指摘もなされました。

 新春インタビューでは、今の世界を大局的にどうつかむかを、綱領の世界論の立場で明らかにし、この世界に党がどう働きかけているかを野党外交の生きた経験を踏まえて語るとともに、綱領と大会決定にもとづいて党が今とりくんでいる理論問題についての最新の到達点が語られています。決定に準ずる文書として位置づけ、活用してほしいと思います。

「二つの一体的追求」が討論で豊かに深められた

 選挙勝利と党づくりをどうすすめるか。ここで決議案は「二つの一体的追求」を提起しましたが、これも討論で豊かに深められました。

 討論でも全国からの感想でも大歓迎されたのが、「要求対話・要求アンケートで新しい結びつきを広げる活動」を戦略的大方針に据えるという提起でした。本当に心強いことです。

 討論ではこうしたとりくみが、誰にでもとりくめる活動として、すでにさまざまな形で行われており、力を発揮していることが紹介されました。地方政治では、住民アンケートが各地でとりくまれています。街頭で月1回の「なんでも相談会」を行い、そのつながりで党勢拡大の努力をしている経験も語られました。ぜひ、決議の討議、具体化・実践の際には、すでに始まっているこうした発展の芽に光をあてて、今度は全党でこういう活動にとりくもうという意思統一を行ってほしいと思います。

 討論では、要求対話を行うことは、それ自体が国民に対して、「国民の声に耳を傾け、国民の声で政治を動かす党」というメッセージを発信することになると語られました。その通りです。この運動は、「国民の声をよく聞き、生かす党」という日本共産党の魅力を伝える運動にもなります。だからこそ、この運動を“国民によく見える形”でとりくむことが大切です。ポスターを掲げてやっているという発言もありました。ぜひ明るく元気に党の姿が伝わるとりくみを始めようではありませんか。

 討論で、「要求対話・要求アンケート」を党の政策的発展にも生かされるようにしてほしいという提起もありました。大切な視点だと受け止めました。要求を聞き、要求実現のために奮闘するとともに、党の政策のバージョンアップに生かしていく。これも、“国民によく見える形”でとりくんでいくようにしたいと思います。

選挙勝利と党づくりを前進させる独自の活動が絶対不可欠となる

 「要求対話・要求アンケートで新しい結びつきを広げる活動」は、選挙勝利と党づくりの両方に新しい前進の大きな条件をつくり出すことになるでしょう。

 同時に、ここで強調したいのは、そうした新しい前進の条件は、自動的に選挙勝利と党づくりのとりくみの前進に結びつくものではない、ということです。それぞれを前進させようとすれば、「要求対話・要求アンケートで新しい結びつきを広げる活動」と一体に、それぞれを前進させる独自の活動が絶対不可欠になります。

 選挙勝利についていえば、「要求対話・要求アンケートで新しい結びつきを広げる活動」を大きく広げることと一体に、支持拡大目標を正面にすえ、支持拡大に意識的にとりくむこと、担い手を広げる活動に意識的にとりくむことが必要となります。

 党づくりについていえば、「要求対話・要求アンケート」を大きく広げることと一体に、またそれを通じて広がった条件を生かして、党大会で決定した目標の達成を正面にすえ、党員拡大と読者拡大の独自の追求を行うことが絶対不可欠となります。討論では、14カ月連続で全地区で入党者を迎えている長野県の経験が語られました。こういう執念をもったとりくみが全党に求められています。「『しんぶん赤旗』を守りぬき発展させる100万読者回復・10億円募金」の成功も重ねて訴えるものです。

 とくに世代的継承では、決議案が述べているように「二つのカギ」――長を先頭に党をあげてとりくむという一つ目の「カギ」、短期の目とともに中長期の目でとりくむことが必要になるという二つ目の「カギ」、これが重要になります。

 長を先頭にした積極的なとりくみは、全国各地から討論の中で報告されましたが、千葉県西部地区からは、「あらゆる場面で世代的継承を断固つらぬく」活動をやりぬき、若い世代、現役世代への党員拡大を前進させている経験が語られました。「あらゆる場面で世代的継承をつらぬく」、これを全党の合言葉にしようではありませんか。

 「要求対話・要求アンケートで新しい結びつきを広げる活動」と一体に、これらの独自のとりくみをやりぬいて、選挙勝利でも、党づくりでも必ず成功を勝ち取りましょう。

 最後に、決議案でいう「一体に」とは、まず「要求対話」、つぎに「独自の活動」という段階論でなく、文字通り「一体に」ということだということを強調したいと思います。「要求対話」の運動をすすめるには、それなりの段取りや準備も必要でしょう。段階論におちいったら、1月は諸課題で大きな後退ということになりかねません。「要求対話」と「独自の活動」に同時にとりくみ、一体的・相乗的に推進するという姿勢が重要です。

 (田村智子委員長は、ここで決議案の修正・補強について報告しました)

一刻を争って4中総決定の読了・討議をやりぬき、「大運動」に踏み出そう

 決議案は、討論でも、全国からの感想でも、文字通り全党に待たれている内容になっています。4中総決定――これは、「決議」「志位議長の中間発言」「討論の結語」「100万読者回復・10億円募金の訴え」の四つを読了文献としたいと思います。一刻を争ってこの4中総決定の読了・討議をやりぬき、「500万要求対話・党勢拡大・世代的継承の大運動」の実践に足を踏み出そうではありませんか。

 「大運動」の成功へ、中央役員のみなさんが心ひとつに奮闘することを呼びかけて、結語といたします。


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