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2024年12月29日(日)

600人 炊き出し命綱

「物価高 生活できない」

東京・池袋

 生活に困窮する人、路上生活をしている人たちを支援するNPO法人「TENOHASI(てのはし)」は28日、東京都豊島区の東池袋中央公園で無料の食料配布(炊き出し)と生活・医療相談を行いました。止まらない物価高騰のなか、悲鳴が上がっています。


写真

(写真)弁当など支援物資を袋詰めするボランティアの人たち=28日、東京都豊島区

 年金生活の男性(71)は「あらゆるものが値上がりし、炊き出しがなければ生活できない」と嘆きます。40年以上、正社員として働いてきました。体を壊し、今は病院通いの日々です。「医療費の負担が本当に大きい。そのうえ、今度は高額療養費の上限額が上がるなんて聞いて、ショックだよ」と落胆します。

 東海地方から上京し、タクシー運転手や介護職員などをしてきた男性(49)は、過酷な労働から精神疾患になりました。今は障害年金などで生活しています。「自炊は難しいから、いつも弁当。スーパーの弁当は半額になったときしか買えない。炊き出しは、本当にありがたい」

 物価は40カ月連続で上がっています。総務省の発表によると、東京23区の消費者物価指数(2020年比)でコメは63%、電気代は18%、生鮮食品は17%上がっています。

 事務局の幸田良佑さんは「物価高の影響、寄付金の減少もあり、野菜や果物など提供できる支援物資も減っています」と話します。

 炊き出しに並ぶ人は500~600人と高止まりしています。医療相談は過去最多です。「並ぶ人たちは常に入れ替わり、減ることはありません」

 役所が閉まる年末年始、都内では杉並区など一部の自治体が臨時対応を取っています。生活支援や資金貸し付けなどを行う都の「TOKYOチャレンジネット」は30日、臨時開所します。

 てのはしは、31日、1月2日も同公園で午後5時から医療・生活相談を行います。弁当配布は午後6時で締め切ります。幸田さんは「できるだけ早く支援につながれるよう、情報を発信していきたい」と語ります。


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