2024年12月27日(金)
きょうの潮流
大学の学費値上げラッシュの動きに対して、大学生を中心に反対の声が上がっています。お金のあるなしで、大学で学ぶ権利が左右されるのはおかしい。学費の値上げをストップし、無償化に向けて引き下げることは重要課題です▼孤児であるジュディが月1回手紙を書くことを条件に「おじさん」から大学進学の資金援助をもらえることになったのは、ジーン・ウェブスターの小説『あしながおじさん』。100年以上前に書かれました▼ジュディが書いた手紙という形で物語が進んでいく小説です。その形式は初めて読んだ中学生のとき、新鮮に感じました。実は本編以上にわくわくして読んだのが『続あしながおじさん』のほうです▼ジュディの大学時代の親友、サリーが、孤児院を改善するための院長に任命され、四苦八苦しながら子どもたちのために改革に取り組みます。サリーの苦闘に共感するとともに、本編ではあまり出番のなかった孤児の子どもたちの姿が描かれていて、印象に残りました▼アベノミクスによって経済格差が広がり、「子どもの貧困」はますます深刻です。子ども食堂や食料・学用品の支援など民間の取り組みも活発に行われています。しかし国民の「自助・共助」頼みではなく、政治の責任での解決こそが求められています▼「あしながおじさん」は子どもを支援する活動の代名詞になっています。けれども、「おじさん」に頼らずとも、すべての子どもが豊かに生き生きと学び暮らせる世の中にしたいものです。








