2024年12月26日(木)
きょうの潮流
「ミスター赤ヘル」と呼ばれたプロ野球広島カープ・山本浩二さんの兄・宏さんが被爆体験を語り広げています。先日、地元の東京・江戸川区で日本共産党まんなか世代後援会が開いた学習会もその一つ▼同区の被爆者団体「親江会」の会長ですが、証言を始めたのは6年ほど前。それまでは戦後生まれの弟・浩二さんにも口を閉ざしてきました。親江会に関わっていた妻との死別を機に「みんな本当のことを知らんのだから言わんといけん」と▼講演した夜は今もうなされます。自分と同世代の主人公を描いた漫画「はだしのゲン」は「つらくて、よう読まん」と手にしませんでした▼ある時、浩二さんから届いたエールに励まされました。「『二度とあってはならない』との思いで行動する兄を尊敬しています」「大切なことは被爆地から『核による脅しも、使用も許されない』と訴えること」(「読売」昨年5月16日付)。兄弟の志が重なりました▼近年、広島・長崎のスポーツ関係者が反核平和の発信を強めています。広島カープは2008年から「ピースナイター」を開催。長崎市出身のサッカー元日本代表キャプテン、吉田麻也選手は22年、ワールドカップ出場を報告する式典でこう語りました。「世界で唯一の被爆国として、もっと声を大きくして世界に訴えていかなければいけない」▼来年は戦後・被爆80年。被爆者の証言を聞き、語り継ぎ、さまざまな分野で発信することで、日本被団協のノーベル平和賞受賞がさらに輝く年にしたい。








