2024年12月24日(火)
きょうの潮流
子どもが5歳の頃、サンタクロースに手紙を出しました。欲しいプレゼントを書き、「サンタさま」宛てに切手を貼ってポストに入れました。「自分で出す」といって聞かなかったのです。郵便局の人は困ったでしょう▼その子は小学3年になっても、サンタクロースを信じていました。友だちが「サンタなんていないよ」と言っても、「夢のないやつ」と逆に哀れんでいました。こちらは複雑な気がしたものです▼でも、子どもから「サンタって本当にいるの?」と聞かれて、苦労した人も多いでしょう。経済学者の暉峻淑子(てるおか・いつこ)さんの書いた唯一の絵本『サンタクロースってほんとにいるの?』(絵・すぎうらはんも)は、40年以上読まれ続けるロングセラーです▼「どうしてぼくのほしいものがわかるの?」「どうやってひとばんでせかいじゅうをまわれるの?」などの質問に父親がやさしく答えます。最後にこう言います▼「いるよ サンタクロースはね こどもを よろこばせるのが なによりのたのしみなのさ だって こどもが しあわせなときは みんなが しあわせなときだもの」▼「サンタがいる、ということは愛してくれる人間がいる、ということ」(暉峻淑子『サンタクロースを探し求めて』)。暉峻さんの3歳の長男は、母親にプレゼントがないのに気付いて、自分の分を譲ってくれたそうです。「子どもは愛されることによって、愛することを知るのだ」と暉峻さん。今夜、多くの子どものもとにサンタさんが来てくれますように。








