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2024年12月13日(金)

主張

補正予算衆院通過

審議を尽くし 抜本組み替えを

 あまりにも審議が不十分です。石破茂内閣が提出した2024年度補正予算案が一部修正の上、与党の自民・公明両党と、日本維新の会、国民民主党の賛成で衆院を通過しました。審議入りからわずか4日間での採決に強く抗議します。

 総選挙の結果、自公が衆院で過半数割れし、与党単独では補正予算案を通すことはできませんでした。そこで自公は、国民民主と所得税の課税最低限である103万円の引き上げなどで合意し、国民民主は補正予算案の賛成に回りました。補正予算案とは関係のない103万円の引き上げと補正予算の成立を取引した形です。

 立憲民主党は補正予算案には反対しましたが、24年度当初予算の予備費から能登半島の復旧・復興に1000億円を充てる一部修正を自公が認めたため採決日程に賛成しました。

 多くの国民が求めている課税最低限の引き上げなどは当然です。一方で補正予算案は重大な問題があり、抜本組み替えが必要です。補正予算案や採決に賛成した各党の態度は厳しく問われなければなりません。

■軍拡・大企業優先

 補正予算案の問題の一つは、補正予算では過去最大の軍事費8268億円が計上されていることです。その4分の3は、25年度以降に支払う予定だった経費の前倒しです。

 財政運営の基本原則を定めた財政法は、補正予算について、災害や景気対策など当初予算編成時に想定されなかった事象に対応するためのものと定めています。補正予算案に盛り込まれた最新鋭の護衛艦や哨戒ヘリ、ミサイルの導入費など、既に契約済みの支払いを繰り上げることに何の緊急性もなく、財政法に真っ向から反します。

 5年間で43兆円もの軍事費をつぎ込む「安保3文書」に基づく大軍拡を加速する点でも認められません。

 重大事故を繰り返し、現在も飛行停止中の欠陥機オスプレイを佐賀駐屯地に配備する施設整備費や、沖縄県民の意思を踏みにじる辺野古米軍新基地の建設費など、基地強化予算も削除すべきです。

 大企業にも大盤振る舞いです。補正予算案では1兆円もの巨費を半導体企業ラピダスに投入しようとしています。大企業によるラピダスへの出資は73億円にすぎず、政府の丸がかえです。特定の大企業を支援するため巨額の国民の税金を使うことは許されません。

■能登支援は不十分

 いま切実に求められているのは、能登半島災害の被災者支援ですが、補正予算案では極めて不十分です。被災者への医療費や保険料の減免など、一層の支援が必要です。

 物価高騰から暮らしを守る対策も抜本的に強化すべきです。「103万円の壁」引き上げにとどまらず、生計費非課税の原則に立つなら消費税の減税にこそ踏み切るべきです。

 医療・介護などケア労働者への思い切った支援、最低賃金の1500円以上への引き上げ、大学や専門学校の授業料値上げを止めるための緊急助成なども求められます。

 補正予算案の審議は参院に移ります。日本共産党は引き続き抜本的な組み替えのため力を尽くします。


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