2024年12月12日(木)
韓国大統領府を家宅捜索へ
尹氏を容疑者と明記
【ソウル=栗原千鶴】韓国警察の特別捜査団は11日、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の「非常戒厳」宣言をめぐり、内乱などの容疑で大統領府の家宅捜索に踏み切りました。しかし、大統領府は捜索を認めず、強制捜査は翌日以降に持ち越されました。
現地メディアは、令状に尹氏が容疑者と明記されていたと報じています。同氏は、内乱罪で刑事捜査の対象になっており、出国禁止の措置を受けています。
特別捜査団は同日、警察庁、ソウル警察庁、国会警備隊も家宅捜索。警察庁の趙志浩(チョ・ジホ)長官とソウル警察の金峰埴(キム・ボンシク)長官を内乱容疑で緊急逮捕しました。3日の戒厳令下で国会に議員が入るのを警察官に妨害させた疑いがあります。
また検察は10日夜、戒厳を助言したとされる金龍顕(キム・ヨンヒョン)・前国防相を内乱と職権乱用の容疑で逮捕。この事件では初の逮捕者となりました。
刑法は憲法秩序を乱す目的で暴動を起こした場合などに内乱罪を適用。死刑または無期懲役を科すなどの重罪です。
金前国防相の逮捕状には、内乱容疑の「重要任務従事者」と明記されました。内乱罪は処罰対象を首謀者と重要任務従事者、同調者の3段階で規定。検察は、尹氏を金前国防相と共謀した「首謀者」と位置付けています。
野党側は12日午後、国会に2度目の弾劾訴追案を提出するとしています。可決には与党「国民の力」から8人の賛成が必要で、市民は同党の本部前で連日、賛成するよう抗議の声をあげています。11日までに5人の与党議員が賛成票を投じると表明しています。