2024年12月10日(火)
きょうの潮流
米国では長年、新聞各紙で親しまれた漫画「ピーナッツ」。日本では「スヌーピー」の名でおなじみです。作者チャールズ・シュルツの分身チャーリー・ブラウンが主人公。“ちびっこギャング”が織り成す物語です▼先日、92歳で亡くなった詩人の谷川俊太郎さんは、ピーナッツの翻訳でも知られていました。このほど亡くなる直前まで手掛けていた翻訳絵本が完成したとのニュースも。詩作だけでなく翻訳でも言葉の力で生きる勇気を届けてくれました▼人権団体アムネスティ日本とともに、「わかりやすい世界人権宣言」を作成しています。同ホームページにすてきな絵とあわせて訳文が紹介されています。全30条を読みすすめると、ニュースで何度も目にした闘う人たちの姿が浮かんできます▼今日は国際人権デー。1948年のパリで開催された国連総会で「世界人権宣言」が採択された日です。世界大戦の惨禍を二度と繰り返さないようにと設立された国連で、人権軽視が戦争につながり、戦争でさらに人権が侵害されるという悪循環に陥ったことを確認。基本的人権の尊重を国際基準とすることをうたってはや76年です▼ウクライナ、ガザで終わりの見えない戦争が続く世界。いつになったらガザに世界人権宣言をあてはめてくれるのか。パレスチナからの声が聞こえてきそうです▼谷川さんによる第28条は「この宣言が、口先だけで終わらないような世界を作ろうとする権利もまた、わたしたちのものです」と。胸に刻みたい言葉です。








