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2024年12月10日(火)

シリアで政権崩壊

アサド氏らロシア亡命

反体制派が首都掌握

 【カイロ=秋山豊】内戦下のシリアでアサド政権に攻勢を仕掛けていた反体制派勢力は8日、首都ダマスカスを掌握したと宣言しました。ロシアのタス通信によると、アサド大統領とその家族がモスクワに逃れ、ロシアが亡命を認めました。父子2代にわたり50年以上も強権的にシリアを統治したアサド政権は崩壊しました。

 ロシア外務省はアサド氏が大統領を辞し、権力の平和的な移譲を指示してシリアを去ったと発表。シリアのジャラリ首相は「国民に選ばれるいかなる指導部とも協力する」と述べ、自由な選挙の実施を訴えました。

 反体制派の主力「シャーム解放機構」(HTS)の指導者ジャウラニ氏は、国家機関は引き渡されるまで首相が管理すると述べました。同氏は「地域全体に新たな歴史が刻まれつつある」とダマスカスで演説しました。

 ロイター通信によるとダマスカスの広場で数千人が「自由だ」と唱和。反体制派勢力はダマスカス近郊の刑務所でとらわれていた人々が解放されたと述べました。一方、イランメディアによると、在シリアのイラン大使館が反体制派勢力に襲撃されました。

 反体制派勢力は先月27日に大規模な攻勢を開始し、北部アレッポや中部ハマ、ホムスなどに次々進軍。10日余りで首都に到達しました。

 アサド政権を支えていたのはロシアとイラン、そしてイランが後ろ盾のレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラでしたが、ロシアはウクライナ侵略に注力し、ヒズボラはイスラエルの攻撃を受けて弱体化。アサド政権軍は敗走しました。


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