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2024年12月8日(日)

きょうの潮流

 立ち入りは規制され住民には避難が呼びかけられました。自衛隊が出動し、あたりは張りつめた空気に。名古屋市の中心部で見つかった不発弾の撤去作業が先月行われました▼長さ1メートル20センチ、重さ250キロ。戦時中に米軍が投下した焼夷(しょうい)弾でした。同市では10月にも不発弾が見つかり不安の声があがっています。千葉県柏市では中学校の敷地内から3発の不発弾が発見され、宮崎空港内の爆発事故も記憶に新しい▼各地で相次ぐ爆弾の発見。専門家は「どこからでも出る可能性がある」と指摘します。太平洋戦争の開戦からきょうで83年、来年は終戦80年。いまだ地中に残る戦争の傷痕は現代を生きる人びとのくらしに影響を及ぼしています▼私たちにとって戦争はまだ終結していない―今月3日、空襲被害者ら戦争被害4団体が国会内で集会を開き、取り残された戦後処理の立法解決を求めました。首相宛ての要望書では軍事費に巨額の税金を投入しながら、戦争の後始末に背を向ける政府の姿勢を厳しく批判▼国が起こした戦争によって被害を受けながら、民間人は補償の対象になっていないことに「明らかな差別と深刻な不条理が放置されている」と。東京大空襲で母と弟2人を亡くした85歳の河合節子さんは、被害者が生きているうちに救済法を成立させるよう訴えました▼過去の戦争に対する無反省ぶりは、戦後処理は終わったとする国のふるまいにも表れています。しかし、戦争の負の遺産や国内外の被害者の叫びは今も続いています。


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