しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2024年12月7日(土)

論戦ハイライト

裏金 企業・団体献金 自民党政治転換を

山添政策委員長の質問 参院予算委

 日本共産党の山添拓議員は6日の参院予算委員会で、自民党派閥の裏金事件を取り上げ、真相の徹底解明と企業・団体献金にしがみつく自民党政治の転換を迫りました。

麻生派の裏金疑惑

山添 閣僚誰も説明せず

写真

(写真)パネルを示しながら質問する山添拓議員=6日、参院予算委

表

(拡大図はこちら)

グラフ

(拡大図はこちら)

 裏金事件の全容について石破茂首相は「国民の多くが全て明らかになったという納得感を持っているとは考えていない」と認めました。安倍派(清和会)で参院選があった2022年、改選議員が集めたパーティー券収入の全額がキックバック(還流)されていた問題は未解明です。

 山添 なぜ選挙の年に限り全額キックバックなのか。

 首相 主権者の皆さんに政策を広く周知をする大きな機会だからだ。

 山添 裏金が選挙のために使われたということだ。

 山添氏は「安倍派の幹部は真実を語っていない」と批判し、予算委員会での証人喚問を求めました。

 山添氏の追及に対して石破首相は政治家である以上、道義的、政治的責任が生じるとの認識を示しました。山添氏は「刑事事件が時効でも道義的、政治的責任は生じる」と強調し、2017年以前は刑事事件が時効として不問にされてきた麻生派(志公会)の疑惑を追及しました。

 志公会は麻生派(旧為公会)と山東派(番町政策研究所)などが合流して17年に設立。合流後18年以降の収支報告書には所属議員がノルマを超えて販売したパーティー券のキックバックとみられる記載がありますが、合流前はありません。

 山添氏は、22年に政治資金規正法違反で罰金などの略式命令を受けた薗浦健太郎前衆院議員の元秘書が、17年に麻生派から分配された380万円を、事務所の裏金をためる口座に入れたと供述したとの報道を示し、「要するに裏金口座だ」とただしました。

 山添氏は、石破内閣の閣僚に麻生派が複数いると指摘。「赤旗」日曜版の調査で鈴木馨祐法相、岩屋毅外相、武藤容治経済産業相のいずれの資金管理団体も17年以前はキックバックの記載がないことを指摘し、説明を求めました。ところが3者とも「適切に処理をしている」と繰り返しまともに説明しませんでした。

 山添氏は麻生派の18年のパーティー収入が合流前の派閥の合計より1億円以上、突然増えているとして次のようにただしました。

 山添 17年以前は書かれていない収入、つまり裏金があったということではないか。

 首相 他の政策集団の経理について知る立場にない。

 山添氏は「これだけの疑惑を誰も説明していない。本来は自分たちで調査をすべき」だと強調し、調査と委員会への報告を求めました。

軍拡・原発・マイナ事業

山添 金の結びつきで推進

図

(拡大図はこちら)

 「腐敗の根を断つには企業・団体献金禁止が最も有効だ」―。山添氏は、世論調査で「禁止すべき」が7割近くだと指摘。1970年の最高裁判決以降に起きた自民党による金権腐敗事件についてただすと、石破首相は「それはいくらでもある」と述べ、委員会室はどよめきました。

 山添 企業・団体献金は9割以上が自民党に対するものだ。もっぱら自民党の問題だとの認識はあるか。

 首相 現象面としては自民党に過度に集中している。

 山添氏は、民主党政権だった2010年には自民党への企業献金が10億円近くも減り、政権復帰後に戻ったと指摘。経団連が10年に企業献金の呼びかけを中止し、14年に再開したことが反映しているとして、「自民党と経団連の二人三脚の仕組みだからやめられない」と批判しました。

 その上で、自民党が多額の献金を受け取り、政府が公共発注で還元していると告発。軍拡や原発、マイナ事業など、「不安や懸念の声があっても突き進む背景に、否定しがたいカネの結びつきがある」と迫りました。

 山添氏は、朝日新聞が献金した企業を対象に行った調査で、回答した258社中165社が「議員個人の応援」を目的に寄付しているとし、出席予定がないのにパーティー券を買う企業も多数あったと紹介しました。

 山添 政治家個人への企業献金は禁止されているが、実態は個人の応援のために企業献金が行われ、パー券購入も抜け道になっている。

 首相 抜け道として利用したという認識はない。

 山添氏は、昨年12月のTBS「報道特集」が、パー券を購入してきた企業へのインタビューで「何か問題が生じたときの役割を期待する」「みかじめ料のようなものだった」という声を紹介していることに言及しました。

 山添氏は「不利益を被らないために購入しておくことが現にある。これが自民党のいう政治活動の自由なのか」とただしました。

 裏金事件への反省もなく、企業・団体献金に固執する石破首相に対し、山添氏は「企業・団体献金はきっぱりやめるべきだ」と重ねて強調しました。

武器輸出拡大

山添 献金で軍拡利益還流

 山添氏は、大軍拡で軍需産業が得る利益が、巨額の献金となって自民党に還流する実態を告発しました。

 政府が11月28日、オーストラリアへの護衛艦輸出を可能としたことを追及。今年3月、英国、イタリアと共同開発する次期戦闘機を日本から第三国に輸出する方針の閣議決定を強行した際、輸出は「次期戦闘機に限る」などと説明していたが、「歯止めなく輸出を拡大しようとしている」と厳しく批判しました。

 「これでもうかるのは誰か」―。山添氏は、輸出が想定されている「もがみ」型護衛艦の製造元の三菱重工は、すでにミサイルや戦闘機など受注が急拡大して上半期の純利益も前年から17%増えるのと同時に、自民党に年間3300万円もの献金をしていると告発しました。

 山添 巨額の受注で大もうけした金が、巨額の献金として自民党に還流している。

 首相 献金を受けたので政策をゆがめたということはない。

 山添 経団連は官民連携で武器の輸出推進を求め、そのための支援を求めている。首相は、個人献金も企業献金もかわらないと繰り返すが、個人献金では、ばく大な利益を還流することは起こり得ない。

 山添氏は、石破首相、岩屋毅外相、中谷元防衛相の防衛相経験者に軍需産業からのパーティー券購入状況をただしました。

 3氏は21~23年の政治資金収支報告書で防衛装備庁の契約金額上位20社からの収入は確認されなかったと説明。一方、収支報告書に購入者を記載する義務がないパー券購入額が20万円以下については、「公表するわけにはいかない」(外相)などと弁明。山添氏は、首相の言う「透明性」を厳しく批判しました。


pageup