2024年12月7日(土)
韓国大統領弾劾案 きょう採決
可決の可能性高まる
【ソウル=栗原千鶴】韓国与党「国民の力」の韓東勲(ハン・ドンフン)代表は6日午前の党緊急会議で、「韓国と国民を守るため、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の早期職務停止が必要だ」と述べ、野党議員が国会に提出している尹氏に対する弾劾訴追案に、事実上賛成する立場を示しました。同日午後に、両氏は直接面談しましたが、韓氏は「判断を覆すような話は聞くことができなかった」と語りました。
また、韓氏は、尹氏が3日夜に「非常戒厳」を宣言した際に、主要政治家の逮捕を指示していたと明らかにしました。
与党のベテラン議員・趙慶泰(チョ・ギョンテ)氏も、「非常戒厳を宣布した行為自体が違憲であり、職務停止を早くしなければならない」と語るなど同調。同案可決には国会の在籍議員300人のうち3分の2以上の賛成が必要で、法案を発議した野党議員192人以外に与党から8人の賛成が必要です。
与党内には、韓氏に近い議員が20人ほどいると言われており、同案が可決される可能性が高まっています。
韓国検察は6日、尹氏による戒厳令を捜査するため、ソウル高検検事長をトップとする特別捜査本部を創設。警察も120人の捜査チームを立ち上げました。国防次官は戒厳にかかわる資料の廃棄や隠ぺいなどを禁止しました。
野党側は7日夜に弾劾訴追案の採決を予定しています。最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表は、尹氏に対し「民主主義憲政の秩序を、自分の利益、権力の強化と維持のために乱用した明らかな国家内乱罪の首謀者だ」として速やかに職務から排除することを求めています。
民間世論調査会社が5日に発表した調査で弾劾に賛成の意思を示した人は73・6%に上りました。採決を前に、6日も韓国各地で弾劾を求める市民が声を上げました。








