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2024年12月5日(木)

韓国、一時「戒厳令」

市民抗議・国会決議受け解除

大統領弾劾案 野党が提出

 韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は3日夜、突然、記者会見を開き、野党が多数の弾劾を試み国政をまひさせたとして、1987年の民主化以降初めて、「非常戒厳」を宣言しました。金龍顕(キム・ヨンヒョン)国防相は軍に警戒、態勢強化を指示、戒厳司令部の司令官、朴安洙(パク・アンス)陸軍参謀総長が、一切の政治活動の禁止などを盛り込んだ布告令を発表しました。(関連記事)

 尹氏の記者会見の直後から、国会前には市民が駆け付け、「大統領を弾劾しろ」「市民に銃を向けるな」などと抗議の声を上げました。国会議員も軍の封鎖をかいくぐり、本会議場に結集、戒厳令解除を求める決議案を可決しました。尹氏は、これを受け4日未明に戒厳令解除を発表しました。

 一夜明けた4日午後、「共に民主党」など野党6党は尹氏の弾劾訴追案を国会に提出。戒厳令の発出が「憲法や法律に明白に違反する」と主張しています。

 弾劾訴追案は本会議に提出されてから72時間以内に採決しなければなりません。可決には3分の2の議員の賛成が必要で、与党「国民の力」から8人が賛成すれば可決される見通しです。

 現地からの報道によると、尹氏の側近である大統領府の首席秘書官らは一斉に辞意を表明しました。与党「国民の力」の韓東勲(ハン・ドンフン)代表は、尹氏が直接、国民に状況を説明し、戒厳を建議したとされる金国防相の解任といった対応をとるべきだと主張。同国防相は4日午後、辞意を表明しました。

 全国民主労働組合総連盟(民主労総)は「政権打倒まで無期限の全面ゼネストを続ける。大統領の暴走を止めるため生産を停止する」と声明を発表。市民団体も記者会見を開き、国会は弾劾を速やかに採決するよう求めました。

 韓国は1980年代まで軍事独裁政権が続いていましたが、国民の粘り強い闘いで覆してきた歴史があります。日本共産党も、市民の闘いに連帯してきました。


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