2024年11月14日(木)
敦賀2号再稼働不可
規制委発足後、初の決定
建屋直下活断層「否定できず」
日本原子力発電(原電)敦賀原発2号機(福井県敦賀市)について原子力規制委員会は13日、原子炉建屋直下に活断層がある可能性が否定できないことから、再稼働に必要な新規制基準への適合が「認められない」とする審査書と、原電の申請を「許可をしない」ことを決定しました。再稼働を認めない判断は、規制委が発足して以来初めてです。
|
今回の処分は、原電が2015年に提出した新規制基準への適合性に関する設置変更許可申請に対するもの。新規制基準では、活断層の上に安全上重要な施設を建てることを禁じています。
規制委は8月28日に審査書案を了承し、30日間の意見募集を行いました。意見募集では、67件の意見がよせられました。また、科学的技術的意見に該当しないと判断されたものが215件あり、原電の経理的基礎は破綻しており再稼働する資格はないなどの意見がありました。
規制委は、2号機原子炉建屋から約300メートル北のトレンチ(試掘溝)で見つかった「K断層」が将来動く可能性があるかという「活動性」と、建屋直下の断層との「連続性」について、いずれも「否定できない」と判断しています。
原電は13日、2号機の設置許可の再申請、稼働に向けて取り組んでいくと発表しています。
9年近くかかった審査は異例の経緯をたどりました。19年には審査資料に1000カ所以上の間違いが見つかり、20年には、規制委の指摘で審査資料の地質データで無断書き換えが発覚。規制委は、原電の管理体制について本店への立ち入りなどを実施し、審査を一時中断しました。22年に審査を再開しましたが、その後も審査資料の誤りが見つかり再び審査を中断。規制委は、原電に「K断層」に関する申請書の補正を提出させました。