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2024年11月12日(火)

日本共産党議員団総会

田村委員長のあいさつ

 日本共産党の田村智子委員長が11日、特別国会の開会にあたって開かれた国会議員団総会で行ったあいさつは次の通りです。

自民・公明の過半数割れ――共産党と「赤旗」の貢献を確信に、国民要求実現へ奮闘を

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(写真)あいさつする田村智子委員長=11日、衆院第2議員会館

 総選挙で日本共産党にご支持、ご支援いただいたみなさんに心から感謝を申し上げます。全国で大奮闘した候補者のみなさんに、党議員団として心から連帯の拍手を送りたいと思います。

 日本共産党は、沖縄1区で赤嶺政賢さんが勝利し、現地紙は「オール沖縄堅守、赤嶺さん圧巻の9選」と報じました。みなさんで喜び合いたいと思います。

 比例代表では、辰巳孝太郎さん、堀川朗子さんの2人を新しいメンバーとして議員団に迎えました。参院議員団に大門実紀史さんがカムバックしたことを報告したいと思います。

 東北の高橋千鶴子さん、東京の宮本徹さんの大切な議席を失い、日本共産党の議席が8議席へと後退したことは大変に悔しい結果であり、責任を痛感しています。

 わが党の選挙結果については、都道府県委員長、地区委員長から寄せられた総選挙をたたかっての感想、意見、また党内外からの意見にしっかりと耳を傾けて総括と教訓を明らかにし、来年の東京都議会選挙、そして参議院選挙へとめざしていきたいと思います。

 同時に、自民、公明両党の過半数割れという歴史的な選挙結果は、メディアや他党から、「MVPは『赤旗』と日本共産党」などと評されている通り、日本共産党と「しんぶん赤旗」が大きく貢献したからこそであり、このことを確信にして堂々とかつ躍動的に、公約実現へ、国民の諸要求実現へと、国会内外で大奮闘しようではありませんか。

「新しい政治プロセス」の始まり――たたかいいかんで政治を変える可能性

 自民、公明の与党が過半数割れし、日本維新の会が議席を大きく後退させたことにより、衆議院では改憲勢力が3分の2を割りました。

 こうした総選挙全体の結果をどうみるか。10月28日の常任幹部会声明は、「大局的に見れば、国民が自民党政治に代わる新しい政治を模索し、探求する、新しい政治プロセスが始まった」「新たな激動のもとで、国民の切実な願いにこたえるか否かが各党に鋭く問われることになり、世論とたたかいによって、政治を前向きに動かす可能性も大きく開かれてくるでしょう」と述べました。

 この常幹声明を受けて、志位和夫議長が横浜、千葉で行った街頭演説では、自民党大敗、「衆参ねじれ」となった2007年参院選の結果を分析して、「新しい政治プロセス」という情勢の捉え方をしたこと、その時と今日の激動との共通点と相違点が語られました。

 私も候補者としてたたかいましたので、民主党政権へと向かう時代の日本共産党の苦闘はわが身に刻まれた経験でもあります。その時に国民が新しい政治を模索、探求していると捉え、国民とともに政治を前に動かす立場を貫いたことが、10年代中ごろの党の躍進、市民と野党の共同の大きなムーブメントを起こした。これらは党議員団の歴史的経験としても鮮明に刻まれているものです。

 今度の「新しい政治プロセス」は、その時の繰り返しではありません。一つに、自民党の政治モラルの劣化、内政・外交での政治的行き詰まり、国民的基盤の衰退は、どれも格段に深刻となっています。二つに、今始まった「新しい政治プロセス」の扉を開いたのは日本共産党と「赤旗」です。そして三つに、衆院での自公過半数割れは、かつての衆参ねじれとは比較にならないほど自民党にとって深刻な事態です。まさに国民のたたかい、党のたたかいいかんによって、政治を変えるさらに大きなムーブメントをつくる可能性をはらんでいるといえるでしょう。

首相指名への態度――共産党は国民とともに政治動かす姿勢貫く

 この特別国会から、各党が国民の願いにどうこたえるかが問われます。まず、首相指名への態度です。わが党は10月30日、特別国会を迎えるにあたり、立憲民主党の野田佳彦代表と協議を行い、決選投票での協力の要請を受けました。私は、総選挙で示された民意にこたえ、裏金問題の真相解明と企業・団体献金の全面禁止を行うことが不可欠だと強調し、この点で野田代表との一致を確認しました。また、健康保険証廃止の凍結、選択的夫婦別姓制度の実現、来春の大学学費値上げを止めることなど、国民多数の緊急の要求にこたえ、自公過半数割れの国会ですみやかに進めるべきだと求め、前向きな協議となりました。これらをふまえて、首相指名が決選投票となった場合、わが党議員団は、「自公政権ノー」という国民の民意にこたえ、立憲民主党の野田代表に投票することとします。

 本日の本会議で、石破茂氏が再度、首相に指名されたとしても、衆院で政権与党が過半数割れという極めて不安定で流動的な政治情勢がつくられることになります。自民党は国会運営のために、他党の取り込みを狙い、さまざまな策を弄(ろう)してくるでしょう。さまざまな局面で、国民の要求に根差して政治を変える努力をするのか、それとも行き詰まった自民党政治の延命に手を貸すのか、政党の真価が問われる激動の情勢がいよいよ始まります。わが党もまた、真価が問われることになると肝に銘じて奮闘したい。わが党は、「新しい政治プロセス」に臨む基本姿勢として、国民が主人公の政治の実現をめざし国民とともに政治を動かす、この基本姿勢をぶれずに貫いて奮闘することをこの場で明確に表明するものです。

要求運動すすめ新しい政治を国民とともに探究する

 総選挙後、国民の要求運動が元気に繰り広げられています。文化の日の3日には、憲法改悪に反対する総がかり行動実行委員会などによる大行動が国会前で繰り広げられました。その後、健康保険証存続を求める集会、物価高騰を上回る年金を求める集会が行われました。インボイス廃止を求める行動も予定されています。選択的夫婦別姓の実現を求める運動は、国連女性差別撤廃委員会の日本政府審査に参加したNGO団体や市民のみなさんが、積極的に行動を繰り広げています。来春の大学学費値上げに反対して学生たちが声をあげています。年末の予算編成をめぐって、大軍拡の継続や軍拡増税を許すなの声も強まっています。労働運動も、春闘に向かって最賃1500円以上、大幅な賃上げを求めるたたかいが始まっています。草の根からの要求運動をともにたたかい、論戦に果敢に挑み、その実現に全力をあげていこうではありませんか。

 そして、これらの要求運動、国民運動と一体に、自民党政治に代わる新しい政治とは何かを、党綱領を手に掲げ国民とともに語りあい探究する運動におおいに取り組み、「新しい政治プロセス」を前に進めようではありませんか。「新しい政治プロセス」を前に進める最大の推進力となるのは何か。日本共産党の政治的な躍進とそれを支える強く大きな党をつくることです。来年の都議選、参院選での勝利を必ず勝ち取ること、そのために強く大きな党をつくる先頭に、党国会議員団が立つことをよびかけます。

日本共産党の存在意義を論戦・行動・対話で示し、来年の都議選・参院選勝利へ奮闘しよう

 党勢の拡大、とりわけ若い世代、現役世代のなかに党をつくることが待ったなしの課題だと、総選挙の取り組みを通じても全党が痛感しています。今、総選挙の奮闘によって、党づくりの新しい条件が広がっています。「しんぶん赤旗」への注目は強まり、選挙直後から中央委員会には、「ありがとう赤旗」の声とともに購読申し込みが次つぎ寄せられ、約1800人に達しようとしています。その多くが現役世代です。また、選挙ボランティアに加わった若い世代や学生が、日本共産党を伸ばすために自分も何かしたいと入党する経験が各地から報告されています。わが党の議席が増えてほしいと願っている方々、「しんぶん赤旗」に注目している方々への働きかけを今こそ思い切って広げていきましょう。

 自民党政治の行き詰まりはいよいよ深刻となっています。財界・大企業の利益最優先、日米同盟絶対という二つの異常なゆがみを正し、自民党政治を大本から変える展望をもつ日本共産党、企業・団体献金も政党助成金も受け取らず、国民の立場を貫いて政権監視で抜群の役割を果たす日本共産党。この党の存在意義を、論戦で、行動で、対話で、党国会議員団が堂々と示して、来年の都議選、参院選で必ず勝利する、この決意を申し上げて、議員団総会でのあいさつといたします。


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