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2024年11月10日(日)

保険証廃止 いまだ混乱

国家公務員の利用率 全国平均より低く

医療現場トラブル多発 患者10割負担も

 自民・公明政権が12月2日に健康保険証の新規発行を停止し、マイナンバーカードと保険証を一体にする「マイナ保険証」の一本化を強行しようとしています。しかしマイナ保険証をめぐる問題は山積し、現行保険証の廃止を掲げた与党は、総選挙で過半数割れを起こしました。数の力でのごり押しは許されません。


 マイナ保険証の利用率は9月で13・87%。政府が217億円も血税を計上し、医療機関や薬局に「支援金」をバラまき利用促進に駆り立てましたが効果は極めて限定的でした。

 職責上マイナ保険証を推進する立場の国家公務員の利用率が13・58%と全国平均よりも低いままです。制度を所管する総務省で19・42%、厚生労働省でも19・68%。デジタル庁を含む内閣府本府支部は16・06%です。職員が国家機密も扱う防衛省は10・69%、外務省は10・53%。

 マイナンバーをめぐっては別人の情報が登録されるなどトラブルが多発しました。医療機関ではいまだトラブルが続いています。全国保険医団体連合会が10月発表したアンケートでは今年5月以降、約7割の医療機関でマイナ保険証、オンライン資格確認に関するトラブルが発生しています。その対応では「持ち合わせていた保険証で資格確認した」が8割でした。

 それでも政府は保険証廃止に固執し、トラブル対策として新たな資格確認方法を追加してきました。その結果、資格確認方法が9種類も存在することになり医療現場の大混乱は必至です。結局、資格確認ができず、患者が10割負担を求められるリスクが高まります。

 協会けんぽなど被用者保険の加入者にはこの秋、「資格情報のお知らせ」が一斉に送付されました。マイナ保険証を持つ人のトラブルに備えたものですが、マイナ保険証を持たない人も含め全員に送付されています。マイナ保険証を持たない人には12月2日以降、申請なしで「資格確認書」が発送されます。それとの違いが分からず、すでに混乱が起きています。最大のトラブル回避策は、現行の保険証の存続です。

立ち止まり撤回を

 全国保険医団体連合会の本並省吾事務局次長の話 保険証廃止反対の世論を前に政府は10月末、「マイナ保険証がなくても医療が受けられる」との政府広報を新聞各紙に掲載し、マイナ保険証がない人には資格確認書を送付するとしました。ところが一方で医療機関にはマイナ保険証の利用促進のグッズを送付し対応がちぐはぐです。いったん立ち止まって、保険証廃止は撤回するべきです。また10月末からマイナ保険証が解除できることも周知するべきです。

グラフ


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