2024年11月6日(水)
裏金議員を法相へ
鈴木馨祐氏 「赤旗」日曜版報道で発覚
石破茂首相が新法相に起用する調整をしていると報じられた自民党衆院議員の鈴木馨祐(けいすけ)元外務副大臣は、政治資金規正法違反(不記載)の疑いを「しんぶん赤旗」日曜版が特報しています。衆院選で自公過半数割れに追い込まれた石破首相は、政治改革について「早急に取り組む」と述べています。しかし、その説明と矛盾する人事を行えば、任命権者としての責任が問われます。(丹田智之)
日曜版は5月26日号で、鈴木氏が代表を務める「自民党神奈川県第7選挙区支部」の政治資金収支報告書(2021年分)に6件(計66万円)の寄付が記載されていなかった疑いがあると報じました。
同支部は日曜版の取材後、5月21日付で収支報告書を訂正し、企業・団体からの献金など計282万円分の収入を記載。意図的な不記載の疑いが強まりました。不記載の罰則は、5年以下の禁錮または100万円以下の罰金です。
鈴木氏は当時、自民党政治刷新本部作業部会の座長として規正法の改定案を取りまとめる立場でした。
衆院政治改革特別委員会(同月24日)で日本共産党の塩川鉄也議員に事実関係を問われた鈴木氏は、日曜版の報道について「事実だ」と答弁。「資金担当者が変わったタイミングでミスがあった」と釈明しました。
同支部の会計責任者は11~22年、事務担当者は17~22年に同一人物が連続して務めており、国会で虚偽の答弁をした疑いもあります。
さらに日曜版の調べでは、同支部が「全国配置薬業政治連盟」から17年10月に受けた献金10万円の不記載も判明しました。
鈴木氏が所属する自民党派閥「志公会」(麻生派)では、政治資金パーティー券の販売ノルマ超過分を議員側に還流する仕組みがありました。議員側の収支報告書に17年までの還流分の記載がなく、鈴木氏の関連団体にも不記載の疑いがあります。
法相は検事総長に対する指揮権を有しています。鈴木氏の起用が「適材適所」と言えないことは明らかで、政治への信頼回復にも逆行します。