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2024年11月3日(日)

紙の保険証使用

これまで通りの医療受けられる

厚労省が周知徹底明言

写真

(写真)マイナンバーカードの健康保険証利用登録の解除申請書

 12月2日以降も「これまでどおり医療にかかれます」―。厚生労働省は、今の健康保険証が使えるという広報に力を入れることになりました。

 現行の健康保険証の新規発行を止め「マイナ保険証」に本格移行する12月2日まで1カ月に迫った10月31日、社会保障審議会の医療保険部会で厚労省の担当者は、不安払拭(ふっしょく)のため現行保険証が使えることを周知徹底すると明言しました。すでに10月24~30日にほぼ全ての新聞に同趣旨の広告を掲載し、今後、医療機関でもこれまで通りの保険診療を受けられることを知らせます。

 これまで政府を挙げて「マイナ保険証」推進をアピールしてきたことに比べて、対応に変化が見られます。

来月2日以降も現行の保険証可

 10月31日の会合で委員から、12月2日から紙の健康保険証の新規発行を停止するが、「現行保険証が使えなくなると勘違いしている人がいる。不安に思う人がいることは間違いない」と指摘する声があがりました。他の委員からも同様の意見が出されました。

 厚労省の担当者は「12月2日は一つの節目だが、その日を境に医療現場が大きく変わるものではない」と説明。マイナ保険証を持ってなくても、これまで通り医療にかかれると説明する「高齢者向けリーフレット」やポスターを新たにつくり、医療現場などで周知すると答えました。

 同省は10月24日付の「日経」に「まだ、マイナ保険証をお持ちでなくても、これまでどおりの医療を、あなたに」と5段広報を掲載しました。

任意取得のため「解除の道自然」

 また、厚労省の資料には「マイナ保険証の利用登録解除について」と題する項目を掲載。登録解除方法として▽マイナンバーカードの健康保険利用登録解除の希望者は、加入する医療保険者等に解除申請を行う▽申請内容をうけ医療保険者等は資格確認書を交付し、中間サーバーにカードの健康保険証利用登録の解除依頼をする―としています。

 同省担当者は「もともと、マイナ保険証は任意で登録できる。任意登録なら、任意で解除できる道があるのは自然なこと。10月28日からマイナンバーカードの登録解除を始めた」と説明。現行の健康保険証とマイナンバーカードの両方の「選択肢を用意した」とも述べました。

 協会けんぽの場合の解除希望者は、自身が加入する健康保険協会から書類をもらい申請しますが、手続きに2カ月ほど必要で、現在のところ「紙」(写真)の申請です。国保加入者が解除を希望する場合は、各自治体に申請。オンラインで解除申請できる自治体もありますが、両者とも手続きが複雑で簡素化が求められます。

 マイナンバーカードの利用率は9月現在で13・87%と低迷し、多くの国民は現行健康保険証を使っています。

 「紙の保険証を残して」と願う声に応えた取り組みが求められます。


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