2024年10月23日(水)
希望の政治へ 日本共産党躍進で
平和への取り組み
軍事同盟に頼らず外交で
世界には確固とした流れが
いま日本では、自民・公明政権が「ウクライナは明日の東アジアだ」などといって、5年間で43兆円もの大軍拡路線を暴走しています。「憲法上できない」としてきた集団的自衛権の容認、攻撃兵器=長距離ミサイルの取得・開発、戦闘機などの武器輸出解禁などを次々強行。これらは、米国の対中軍事包囲網に日本を組み込むもので、軍事対軍事のエスカレーションを招きかねない危険な動きです。
しかし、世界には軍事同盟に頼らずに外交で平和をつくろうという確固とした流れがあります。
ASEANの英知に学んで
日本共産党は、東南アジア諸国連合(ASEAN)の平和をつくる英知に学びながら、アジアでも欧州でも平和のとりくみを広げています。
ASEANは、ベトナム戦争終結の翌年の1976年に、武力の不行使と紛争の平和的解決を誓約した東南アジア友好協力条約(TAC)を締結。この条約を土台に、粘り強い対話の努力を続け、分断と敵対が支配していたこの地域を、平和と協力の地域へと劇的に変化させてきました。ASEAN地域フォーラム(ARF)や東アジアサミット(EAS)など、重層的な平和と安全保障の枠組みをつくりあげ、域外に積極的に広げています。TAC締約国はいまや世界54カ国と欧州連合(EU)に拡大。
米中抗争が強まるもと、ASEANが2019年に打ち出したのが、「ASEANインド太平洋構想」(AOIP)です。TACを指針に、東アジアサミットというASEAN主導の枠組みを活用し、インド太平洋地域を「対抗ではなく対話と協力の地域」にしていくという平和構想です。昨年8月の日米韓首脳会談が共同声明で、AOIPの「実施と主流化」のため「ASEANと緊密に連携」と明記するなど、AOIPの存在感は高まっています。
進展踏まえた党の平和提言
こうした新しい進展を踏まえて日本共産党は、「外交ビジョン」(22年1月)や、東アジアの平和構築をすすめる「東アジア平和提言」(今年4月)を提唱しています。軍事同盟と軍事偏重に対して、(1)ASEANと協力して、憲法9条に基づく外交中心の平和的手段によって東アジアに平和を創出する(2)排除ではなく、地域のすべての国を包み込む包摂的な平和の枠組みを発展させる―この2点を現実的な平和対案として提起しながら、外交の徹底的な追求を訴えていることに、提言の核心があります。
23年3月には「日中提言」を提唱。日中間には、「互いに協力のパートナーであり、互いに脅威とならないことを確認」した日中共同声明(08年)など共通の土台が存在しています。それを生かして平和と友好を確かなものする努力をはかることを日中両政府に呼びかけました。志位委員長(当時)の申し入れに対して、岸田首相(当時)が、提言は「日本にとって責任ある課題」と応じ、呉中国大使が「十分に参考にしていく」と述べるなど、両政府とも肯定的な受け止めを表明しました。
党提言に沿い外交活動展開
![]() (写真)インドネシアのハッサン・ウィラユダ元外相と会談する志位委員長(役職は当時)、田村副委員長(同)=2023年12月21日、ジャカルタ市内(井上歩撮影) |
日本共産党は、こうした平和提言に沿った外交活動を精力的に展開してきました。
22年12月、トルコのイスタンブールで開催されたアジア政党国際会議(ICAPP)に志位委員長(当時)が出席。会議の「イスタンブール宣言」には「ブロック政治を回避する重要性」が明記され、党の行った要請と重なりあうものになりました。また、23年12月のインドネシア、ラオス、ベトナム訪問では、「外交ビジョン」がASEANの取り組みと同じ線上にあると歓迎されました。ICAPPにはかつて自民党、公明党、旧民主党なども参加していましたが、この会議を重視して今日も参加しているのは日本共産党だけです。
ウクライナ戦争を契機に北大西洋条約機構(NATO)の拡大・強化と大軍拡という逆流が進む欧州では、左翼諸党が、「公正で平和な世界は、軍事同盟ではなく、政治的な合意に基づいて築かれなければならない」(22年の欧州左翼党第7回大会決議)という基本的立場を堅持。6月の欧州議会選挙でも、米国とNATOに対する「非同盟」と自立化を平和の対案として対置しました。
欧州議会選挙では、昨年NATOに加盟したスウェーデンとフィンランドで、加盟に反対したスウェーデン左翼党が議席を倍加、加盟を容認したもののNATOへの原則的反対を維持しているフィンランド左翼同盟が3倍化と躍進。左翼会派全体も9議席増の46議席(総議席720)に前進しました。
日本共産党は志位議長が8月末~9月に欧州を訪問して多くの左翼・進歩諸党と会談・交流。ユーラシア大陸の東西で軍事同盟強化に反対し、核兵器禁止条約を共同で推進するなど、平和と社会進歩の諸課題で連帯と共同を固く確認し合いました。