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2024年10月23日(水)

きょうの潮流

 週末の夕食どきでした。突然つきあげてきた激しい揺れが、大地を切り裂きました。家や田畑は壊れ、道路は寸断し、土砂崩れで孤立した集落も。山あいの、のどかなくらしは一変しました▼20年前のきょう、新潟県中越地方を中心に最大震度7の地震が襲いました。死者68人、住宅被害は12万棟以上、10万人を超える避難者。このときも被災者は苦悩していました。ふるさとに戻るか、移住するかと▼深夜番組のNNNドキュメントがその後を追っていました。大きな被害をうけた旧山古志村の高台に集団移転してできた「天空の郷(さと)」。そこは復興のモデルとされ全国から視察団が訪れますが、高齢化と過疎化に歯止めはかかっていません▼山古志は人口減少が進み、20年前の3分の1ほどに。震災に見舞われた過疎地域の現実は今の能登半島地震の姿と重なります。故郷への思いとともに生業(なりわい)や生活への不安。若い世代ほど将来への心配は募ります▼中越地震後も震災や災害が相次ぐ列島。被災者おきざりの復旧、進まない復興は、これまで地方を切り捨て疲弊させてきた自民党政治があるからです。大都市集中、地方の財源や人員の削減、1次産業の軽視。地方を守る、地方創生をいいながら、くらしの保障や振興に背を向けてきました▼能登の復興について、国の審議会は「集約的なまちづくり」の検討を提言。被災地からは、元に戻さなくてもいいというのか、と怒りの声があがっています。ふるさとが消えていく。そんな国にしていいのか。


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