2024年10月22日(火)
服部 後半ペース握る
将棋新人王戦 粘り強い指し回し
![]() (写真)対局後検討する服部六段(右)と高田五段。奥真ん中は立会人の村山慈明八段=21日、大阪市福島区の関西将棋会館(峯松進撮影) |
将棋の第55期新人王戦決勝三番勝負は、今年も関西勢同士の対決となりました。21日に大阪市福島区の関西将棋会館で行われた第2局は、第1局に先勝した服部慎一郎六段(25)が高田明浩五段(22)を158手で破り、2連勝で優勝を決めました。服部六段はこれで、53期以来2年ぶり2回目の新人王獲得となりました。
第1局と先後を入れ替えて、高田五段の先手番となりました。
高田五段が角換わり、服部六段が右玉の戦型を採用したことで、駆け引きの時間の続く、序盤戦の長い対局となりました。
79手目の☗7五歩が、高田五段の機敏な一手で、良いとまでは言えないものの先手がペースを握り、そこからは高田五段が攻めて、服部六段が受ける展開になりました。午前中は速いペースで指し手が進み、85手目まで進んだところで昼食休憩に入りました。
111手目、☗2二歩は疑問手でした。替えて☗7六歩なら先手が良いペースで指すことができました。実戦はここから千日手模様となり、形勢は互角に。高田五段が千日手を打開してからは、一転して服部六段がペースを握りました。
ペースを握ってからの服部六段の指し回しを、立会人の村山慈明八段は「さえわたっていました」と評します。140手目の☖8六金以降、服部六段がしっかりと寄せ切り、勝利をつかみました。
村山八段は本局を、「最初は高田五段がペースを握りましたが、服部六段が、容易には土俵を割らない、粘り強い指し回しを見せました。最後、服部六段がよくなってからは、さすが新人王を取る人は充実しているなと思いました」と総括しました。
2度目の新人王を決めた服部六段は「優勝という結果を出すことができて、うれしく思います。2年前の(新人王とタイトルホルダーの)記念対局は、時間を余しての完敗だったので、今回はじっくり時間を使って、まずはいい勝負にできるように調整できたらなと思っています」と語りました。
敗れた高田五段は「1局目も本局も序盤は悪くなかったとは思うのですが、中終盤で離されてしまう展開が続いたので、中盤力を上げなければいけないかなと思いました。今回初めて大舞台に立ち、良い経験をさせていただいたなと思います。またこのような大舞台に戻ってこられるように、精進していこうかなと思っています」と語りました。










