2024年10月19日(土)
企業・団体献金の禁止
石破首相「反対」のワケ
3年で約1億1380万円 ←収入の6割
総選挙では企業・団体献金を禁止するかどうかが争点の一つとなっています。自民党派閥の裏金の原資となったパーティー収入は、大半が企業・団体による購入です。ところが石破茂首相は腐敗の根底にある企業・団体献金の存続を明言しています。背景には石破氏自身の事情も―。(三浦誠)
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「これから先も認めるべきだ」。石破首相は日本記者クラブでの党首討論(12日)で、企業・団体献金の禁止に反対しました。
実は企業・団体献金が禁止されると、石破氏の“懐具合”が苦しくなります。
本紙は2020~22年にかけての石破氏の政治資金を分析しました。
石破氏の政治資金を集めている政治団体は、資金管理団体「石破茂政経懇話会」(懇話会)と「自民党鳥取県第1選挙区支部」です。いずれも同氏が代表です。
懇話会では政治資金パーティーで、党支部は直接の献金で、企業・団体から資金を集めています。
両団体が3年間に受領した企業・団体献金は合計約1億1380万円です。このうちパーティー収入は、約4630万円。収入に占める企業・団体献金の割合は、約6割にのぼります。
政党助成金も
企業・団体献金以外で大きな収入は、税金が原資の政党助成金です。党支部が3年間で5320万円を受け取っています。
石破氏が代表の2団体が3年間で集めた企業・団体献金と政党助成金は合計約1億6700万円。両団体の収入の実に約89%を占めます。
ファンタジー
NHK「日曜討論」(13日)で、石破氏は企業・団体献金禁止を「ファンタジー(夢物語)みたい」と言い放ちました。実際には、企業・団体献金と政党助成金のいずれかが欠けると、石破氏の政治活動を支える財政基盤がなくなる形です。企業・団体献金禁止は致命傷になるので、石破氏にとっては「ファンタジー」だといえます。
国民の痛み感じなくなる
神戸学院大学の上脇博之教授の話 企業・団体献金と政党助成金に依存すると、国民に目がいかなくなる。これでは国民に痛みを押し付けても、自分たちが痛みを感じなくなるのは当たり前だ。企業・団体献金を禁止し、政党助成金は廃止すべきだ。