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2024年10月18日(金)

政治資金でグルメ三昧

石破首相 誰が納得と共感?

焼き肉16万、海鮮30万円

 「国民の納得と共感を得られる政治」を施政方針に掲げ、政治への信頼回復に取り組むと主張する石破茂首相。しかし、首相が代表の資金管理団体「石破茂政経懇話会」の政治資金収支報告書を見ると、1回で10万円以上の高額な飲食代を支出した記載がいくつもあります。高級グルメを堪能する“政治活動”は、国民の納得と共感を得られるのか―。(丹田智之)


写真

(写真)飲食代の支出が目立つ「石破茂政経懇話会」の政治資金収支報告書(2022年分)

 本紙が確認した同懇話会の収支報告書(2014~22年分)には、組織活動費のうち「会合費」欄に飲食代の記載が目立ちます。

 公表されている直近の収支報告書を見ると、22年に10万円以上の飲食代を支出したのは7回で計128万2017円。東京・銀座の日本料理店で18万4690円、焼き肉店で12万5317円などの記載がありました。

 同年の「食事代」「飲食代」の支出は、少額を含めると計226万8794円でした。

 最も多かった年は15年の13回で、計284万1830円分の飲食をしていました。鳥取県内の海鮮レストランで30万4541円、焼き肉店で16万8696円、東京・築地のすし店では13万2431円を支出しています。

緊急事態宣言も

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための「緊急事態宣言」中にも“飲み食い”をした記載がありました。

 安倍晋三首相(当時)は20年4月7日に1回目の宣言を発出。その翌日、同懇話会は東京・六本木の焼き肉店で14万389円を支払っていました。感染拡大中の東京都では、接触機会の「8割削減」が目標に掲げられました。不要不急の外出自粛も呼びかけられましたが、無視して複数人で会食をした疑いがあります。

大量のナシ購入

 石破首相が代表の自民党鳥取県第一選挙区支部の収支報告書には、政治資金で大量の二十世紀梨(ナシ)を購入した記載もあります。同支部は毎年、鳥取市など自身の選挙区内にある選果場で「交際費」として、「梨代」や「青果代」を支出。22年は計50万4380円、21年には計49万9500円を支払っています。二十世紀梨は鳥取県の特産品です。

 収支報告書には、飲食相手やナシを配った相手が誰であるか記載されていません。もしも選挙区内の有権者を「接待」したり、ナシを贈答していたりしたら、公職選挙法に違反(買収)する疑いが出てきます。

 同懇話会の主な収入は、事実上の企業・団体献金である政治資金パーティーです。22年11月15日に開いたパーティーでは、2250万円を集めています。他方、党支部は企業・団体献金と税金が原資の政党助成金が主な収入源です。

 賄賂的性格をもつ企業・団体献金を元手に高級店で飲食をし、税金が入る党支部で「交際費」としてナシを購入する―これで「国民の納得と共感を得られる政治」ができるのか、総選挙でも問われます。

石破茂政経懇話会
10万円以上の飲食代を
支払った回数と合計額
2014年 9回 133万1550円
15年 13回 284万1830円
16年 9回 222万4293円
17年 8回 130万3245円
18年 11回 167万5061円
19年 7回 141万5749円
20年 9回 146万4190円
21年 1回 13万8946円
22年 7回 128万2017円

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