2024年10月13日(日)
核廃絶運動を世界へ 首相の「核共有」怒り
日本被団協役員の記者会見
「核兵器廃絶の国際的な呼びかけになる受賞だ」「核兵器のことや私たちのやってきたことをしっかり伝えていかなければいけない」―。ノーベル平和賞受賞の発表から一夜明けた12日、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の役員が東京都内で開いた記者会見で思いを語りました。
![]() (写真)記者会見する被団協の(左から)工藤、濵中、田中、和田、濱住の各氏=12日、東京都千代田区 |
田中熙巳(てるみ)代表委員は「(核兵器廃絶の運動を広げるという)世界への呼びかけになると思う」と意義を語りました。
石破茂首相が持論とする「核共有」について「日本のトップが核兵器は必要だと言っていること自体に怒り心頭。日本に核兵器を置くということだ。ぜひ会って『核共有なんてとんでもない』『あなたの考え方は間違っている』と言いたい」と述べました。
田中重光代表委員は「先輩たちが差別や偏見、体の不調を抱えながら被爆の体験を語ってきたことが広がり、核兵器禁止条約につながった」と発言。「21世紀は、核兵器の威嚇、近代化、拡大に突き進んでいる。自らつくった核兵器で滅亡の道をたどることをやめさせるには廃絶しかない」と声を強めました。
箕牧智之(としゆき)代表委員は、ニュースで「日本被団協」という言葉を聞き「思わ頬を引っ張りました。私たちの大先輩が築き上げた“核なき世界への運動”がノーベル平和賞につながったと思う」と喜びました。
木戸季市(すえいち)事務局長は「戦後、日本は戦争によって命を奪われたことも奪ったこともない。そして核兵器禁止条約がつくられ、核兵器をなくすという思いを世界の国が確認した。それは希望だと思う」と発言。「これからが人生の集大成。それは核兵器のない世界をつくることだ」と意気込みを語りました。
和田征子事務局次長は、石破首相の「核共有」について「戦争被爆国の日本に、核兵器が持ち込まれ、発射するかもしれない。被害国から加害国になるかもしれない」と批判。胎内被ばくした濱住治郎事務局次長は「核戦争を起こすな、核兵器をなくせ、再び被爆者をつくるな、国家補償の実現をと運動し、多くの人たちの協力による受賞です」と語りました。
濵中紀子事務局次長は、さまざまな場で講演をする予定になっているとして「心を込めて丁寧に被爆の証言と核廃絶を訴えたい」と語りました。









