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2024年10月12日(土)

ノーベル平和賞 日本被団協受賞

これが国際社会の声

「核抑止」から脱却 今こそ

 1945年8月、広島・長崎に原爆が投下され、まもなく80年となるタイミングで、核兵器廃絶に向けて地道な取り組みを続けてきた日本被団協がノーベル平和賞を受賞しました。長年、核兵器廃絶へ国内外で地道な努力を続けてきた被団協や無数の被爆者、そして街頭で署名に取り組んできたすべての市民に対する評価といえます。

 2017年、人類史上初めて核兵器を違法化した核兵器禁止条約が国連で122カ国の賛成により採択され、同年のノーベル平和賞は核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)が受賞。そして今年は、同条約の採択を草の根の運動で進めてきた日本被団協の受賞です。核兵器はいかなる理由でも二度と使用してはならない、核戦争は絶対に起こしてはならない、核兵器は今すぐに廃絶しなければならないというのが、国際社会の明確なメッセージであるといえます。

 世界の現状を見れば、ロシアが繰り返し、ウクライナでの核使用の可能性を明言。米国や中国は核弾頭や戦略爆撃機・潜水艦の近代化を進めています。ノーベル委員会はそうした現状を踏まえ、「人類史上のこの瞬間に、核兵器が何であるかを思い起こす価値がある。核兵器とは、世界がこれまでに見た中で最も破壊的な兵器である」と指摘しています。

 本来なら、唯一の戦争被爆国である日本政府がそうしたことを国際社会に訴え、「核兵器のない世界」を主導する責任があります。ところが、政府は米国の「核抑止」に固執する立場から核禁条約への参加を拒否。同条約締約国会議へのオブザーバー参加さえ否定しています。そればかりか、「核の傘」=「拡大抑止」をいっそう強化するための日米閣僚級協議まで創設しました。石破茂首相にいたっては、就任直前に発表した米シンクタンクへの寄稿文で、米国との「核共有」や「核持ち込み」を主張し、“国是”である「非核三原則」を明確に否定。最悪の補完勢力である維新・国民も「核共有」や原子力潜水艦の保有を繰り返し主張しています。

 立民の主張も核禁条約締約国会議へのオブザーバー参加にとどまっており、条約参加を明言していません。

 政府やこれら各党に共通しているのは「日米同盟絶対」の立場です。中国やロシアに対抗するため、米国の「核抑止」を絶対視していることです。

 政府はこれ以上、国際社会に恥ずべき姿をさらすことをやめ、ただちに核禁条約への参加を決断すべきです。核兵器の惨禍を訴える先頭に立ち、「核抑止」から抜け出す道を選ぶべきです。(竹下岳)


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