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2024年10月11日(金)

主張

石破派裏金と解散

真相隠し逃げる政権に審判を

 石破茂首相は、「しんぶん赤旗」日曜版がスクープした石破派「水月会」(9月に解散)の裏金疑惑で就任早々から窮地に陥っています。首相は9日、この新疑惑を含む自民党全体の組織的な裏金疑惑にフタをしたまま、解散・総選挙に突入しましたが、逃げ切りは許されません。

 日曜版10月6日号は、石破派が「健康保険政治連盟」からの政治資金パーティーの収入を2021年までの6年間で計140万円分不記載にしていたと報じました。この問題を衆参両院の代表質問で追及した日本共産党の志位和夫議長や田村智子委員長に対し、首相は「事務局側の記載漏れ」「内訳の金額の誤りで収入総額の誤りは確認されていない」と言い逃れました。

 首相の答弁は岸田派の裏金問題が発覚した際、岸田文雄首相(当時)が「総額は変わっていない」といった弁明と同じです。しかし、その後、岸田派では約3千万円の不記載が発覚し、元会計責任者が立件されています。

■「中抜き」の疑惑

 日曜版10月13日号は、石破派の事務総長経験者である田村憲久元厚生労働相側と鴨下一郎元環境相側が、実際に販売した収入を派閥に納めず「中抜き」していた裏金疑惑を新たにスクープしました。

 日曜版の取材に健康保険政治連盟の事務担当者は、20年に田村氏側に20万円、鴨下氏側に30万円の計50万円を支出したと説明しました。ところが、水月会の政治資金収支報告書には収入として30万円分の記載しかなく、20万円分が不記載でした。18と19年にも、それぞれ20万円分が不記載でした。田村氏側か鴨下氏側が「中抜き」していた疑いがあります。

 「事務的なミス」などという首相の言い逃れは、もはや通用しません。石破派の裏金疑惑は主要5派閥と同じ構図で、氷山の一角の可能性もあります。安倍派だけでも6億7千万円に及ぶ「大政治犯罪」は、裏金づくりの経緯や使途など、いまだ闇の中です。

 ところが、首相は再調査も拒否し、自民党の金権腐敗政治の大本にあるパーティー券を含めた企業・団体献金の禁止や政党助成金の廃止に背を向けています。

■党利党略許すな

 裏金議員の公認問題でも、世論の批判を受けて一部非公認に変えましたが、約50人に及ぶ裏金議員の立候補予定者の中で非公認は12人(うち1人は不出馬表明)にすぎません。しかも、首相は9日の党首討論で非公認の裏金議員について「国民が代表者としてふさわしいと判断した場合、公認する」とのべ、当選したら追加公認する考えを明らかにしています。

 首相は7日、自民党の都道府県幹事長会議で裏金議員の一部非公認の方針について「どのようにすれば選挙で勝てるかという観点から判断した」と説明したと報じられています。「政治とカネ」という民主主義の根幹の問題で真相解明を拒み、疑惑を隠して短期の選挙で勝てばいいというのは党利党略そのものです。

 日本共産党は、総選挙で石破政権・自民党に厳しい審判を下し、裏金疑惑の徹底解明、金権腐敗政治の根絶のため、躍進をめざし全力をあげます。


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