2024年10月7日(月)
ガザ 深まる人道危機
侵攻1年 戦火 中東全域に及ぶ危険
【カイロ=秋山豊】イスラエルがイスラム組織ハマスによる奇襲攻撃を受けてパレスチナ・ガザ地区への軍事侵攻を開始してから7日で1年が経過しました。国際社会はイスラエルによる攻撃を国際法違反、ジェノサイド(集団殺害)と批判し、停戦を呼び掛けてきましたが、イスラエルはこれを無視し、ガザに陸海空から攻撃を継続。戦火を中東地域全体に拡大する動きさえ強めています。
ガザの人道危機はますます深刻になっています。ガザ当局によれば4万1870人が殺され、その多くが女性と子どもです。負傷者は9万7166人に上っています。ガザの人口約240万人のうち200万人が住まいを追われました。
住民は幾度も退避を強制されています。劣悪な衛生状態での避難生活を強いられ、飢えや感染症に苦しんでいます。イスラエル軍の攻撃と封鎖でガザには人道支援物資がわずかしか入っていません。農地も破壊されています。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)によると、9月には140万人以上が食料の配給を受けられませんでした。
イスラエル軍は避難所となっている学校や、イスラエルが住民の退避先として指定した地域まで攻撃しています。UNRWA職員や医療従事者、ジャーナリストも殺害しています。
イスラエルはレバノンへの地上侵攻も開始。イランがイスラエルにミサイルで攻撃する事態となり、イスラエルは報復を宣言。戦火のさらなる拡大が懸念されています。
レバノン保健省によると同国では、昨年10月以降、イスラエル軍の攻撃で少なくとも2000人が死亡しています。