2024年10月6日(日)
主張
石破派の「裏金」
首相に真相解明の責任がある
「石破派も『裏金』」と新事実を暴いた「しんぶん赤旗」日曜版10月6日号のスクープが、就任早々の石破茂首相を直撃しています。
自身が代表だった石破派(水月会、9月に解散)が政治資金パーティー「水月会セミナー」の収入を2021年までの6年間で計140万円分不記載にしていたもので、「裏金」処理していた疑いもあります。
石破氏は昨年12月12日のテレビ番組(BS日テレ)で、石破派にもキックバックがあったことを認めたうえで、「出も入りもきちんと載せているので確認すればわかる」とのべ、政治資金収支報告書の記載に問題はないと強調していました。この発言が事実に反することが明るみに出たのです。
■新事実受け調査を
石破首相は就任記者会見で「裏金事件をめぐる新たな事実が判明すれば自民党としての調査が必要だが、現在そういう状況にあるとは承知していない」と再調査を拒否しました。
しかし、「新たな事実」として石破派にも自民党主要5派閥と同じ裏金疑惑が判明し、自民党としての調査が必要な状況になったのです。しかも、それは石破派の疑惑で、真相解明の責任は首相自身にあります。首相は4日の所信表明演説で裏金問題について「ルールを守る」「私自身も説明責任を果たす」とのべた言明をただちに実行すべきです。
今年度のJCJ(日本ジャーナリスト会議)大賞に「赤旗」日曜版の裏金スクープが選ばれた際、その受賞理由で裏金事件を「大政治犯罪」と断罪しました。日本共産党の志位和夫議長は、この認識が石破首相に厳しく問われていると強調し、「徹底的な再調査を行い、国民に真実を語るべきです」と求めました。
自民党の裏金議員への聞き取り調査後、裏金事件で東京地裁は9月、二階派(志帥会)と安倍派(清和政策研究会)の会計責任者に、相次いで有罪判決を言い渡しました。判決は「政治活動の公明・公正を確保し、民主政治の健全な発達に寄与するという政治資金規正法の目的をないがしろにする犯行」(安倍派の裏金事件判決)と、その違法性を断罪しています。
民主政治を壊す「大政治犯罪」であるにもかかわらず、石破首相は総裁選で慎重姿勢を示した早期解散を党利党略で強行し、国会での追及を逃れ、疑惑にフタをしようとしています。
■裏金議員の公認へ
しかも、石破首相は裏金議員について、都道府県連の申請を受けて総選挙で原則公認する方針を固めたと報じられています。「公認にふさわしいかの議論は徹底的に行われるべきだ」と非公認も示唆していた総裁選での発言を覆すものです。
このような言行不一致を繰り返す首相が「勇気と真心をもって真実を語り、国民の納得と共感を得られる政治を実践する」と国会で演説しても、だれが納得し共感するでしょうか。
世論調査では、裏金問題の実態解明を「進めるべきだ」が75%(「朝日」)、裏金議員の公認は「理解できない」が75・6%(共同)で、国民多数の声は明瞭です。
日本共産党は、国会論戦でも総選挙でも逃げ切りをはかる石破政権・自民党を徹底的に追及し、真相解明に全力をあげます。