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2024年10月6日(日)

総選挙中に最大規模日米演習

23都道府県 問われる「戦争国家づくり」

南西諸島でミサイル訓練

 最大規模の日米共同統合実動演習「キーン・ソード」(KS25)の全容が、防衛省が日本共産党の山添拓参院議員に提出した資料から判明しました。衆院選(27日)を目前にした23日から11月1日まで、全国23都道府県で実施。「米中対立」の最前線となる南西諸島では、日米のミサイル部隊による訓練が行われます。石破茂首相が岸田前政権による大軍拡路線の継承を宣言する中、「戦争国家づくり」が問われています。(齋藤和紀)


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 陸上自衛隊は長射程ミサイル「12式地対艦誘導弾」の展開訓練を、沖縄県の石垣島や宮古島、那覇駐屯地、勝連分屯地で実施します。防衛省は、敵基地攻撃兵器として使うため同誘導弾の射程を約1000キロに伸ばし、来年度に配備する予定。石垣島では米軍の高機動ロケット砲システム「ハイマース」の輸送訓練を初めて実施します。米中軍事衝突の最前線となる「第1列島線」(九州沖から沖縄、フィリピン付近)に日米のミサイル部隊を並べる戦略を具体化し、沖縄を攻撃拠点とする動きです。

 石垣、宮古島など先島諸島の自衛隊基地の「日米共同基地化」への狙いも明らかです。

 昨年11月、鹿児島県屋久島沖での墜落など重大事故が相次いだオスプレイの訓練も激化。沖縄本島と与那国島に初めて陸自のV22オスプレイが飛来します。与那国島や石垣島で、負傷した兵士をV22で自衛隊那覇病院(那覇市)などに移送する訓練を実施します。

 鹿児島県屋久島沖で墜落した機体と同型の米空軍特殊作戦機CV22も参加。同県の徳之島で離着陸訓練を行います。事故後、CV22が訓練に参加するのは初めてですが、「30分以内に緊急着陸可能」な範囲に限るなど制限が課されたままです。

 本土では、敵基地攻撃とミサイル防衛を一体化させる「統合防空ミサイル防衛(IAMD)」を具体化する訓練を北海道・東北沖や青森沖、四国沖で実施。全国の自衛隊・米軍基地から戦闘機、輸送機、イージス艦などが参加します。

 これに伴って九州では、自衛隊基地が攻撃され使用できない事態を想定し、航空自衛隊機を民間空港に退避させる訓練も実施。使用する空港は長崎、熊本、宮崎、奄美(鹿児島県)、徳之島と九州全体に及びます。


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