2024年10月5日(土)
消費税増税が「有力」
経団連「提言」 法人税増税けん制
経団連は3日、2025年度の「税制改正に関する提言」を発表しました。社会保障財源について消費税増税を「有力な選択肢」とする一方、法人税率引き上げ論をけん制しました。
24年度の「与党税制改正大綱」(昨年12月)は、安倍晋三政権発足以降に繰り返された法人税率の引き下げで「前向きな投資や継続的・積極的な賃上げ」を目指したものの「賃金や国内投資は低迷」し、企業の内部留保や現預金が大幅に増える結果となったことを指摘。「累次の法人税改革は意図した成果を上げてこなかった」と失敗に終わったことを認め、「今後、法人税率の引き上げも視野に入れた検討が必要」との文言を盛り込みました。
これに対し、経団連は今回の提言で「改革の効果が明確に現れるまでには長い時間を要する」「足もとの国内投資拡大、賃金引上げの動きなどを見極めた上で評価を行うべき」だと反論しました。
「(日本の)法人実効税率が主要国の中で依然として高い水準にある」と述べ、大企業優遇税制によって大企業の実際の税負担率が実効税率(法定税率)より著しく低くなっている現実を無視した議論を展開しました。
また、政府が大軍拡の財源の一部として法人税率の上乗せを検討していることについて、「法人実効税率への影響、企業による国内投資や賃金引上げの状況を十分に踏まえるべき」だとくぎを刺しました。
社会保障については「給付の伸びを適切に抑制するとともに、安定的な財源の確保を進める」ことが必要だとして、給付減と負担増を求めました。
消費税については、全世代の国民全体が負担し、財源としての安定性があるとして、「引き上げは有力な選択肢の一つ」だと強調しました。そのうえで実施時期と上げ幅については「経済情勢を踏まえて検討する必要がある」と、消費税増税を当然視する立場をあらわにしました。








