2024年10月5日(土)
きょうの潮流
男性を守ってあげたいと歌った、女性の曲が新鮮に響いたのは80年代に入った頃だったか。まだ女性を守ることが男らしさとすり込まれていた時代。一見優しさのようにみえますが、女性を見下ろす目線はいまも▼よほどこのフレーズが気に入ったのか、石破首相が所信表明の演説で「守る」を連呼しました。どれも守ってこなかったのは、あなたの党なのに、その責任には言及しないで▼「ルールを守る」。石破派にも裏金疑惑がもちあがり、自身も幹事長時に17億円をこえる政策活動費をいただきながら。そのうえ、今度の総選挙では裏金議員を公認する方針だと伝えられています▼「若者・女性の機会を守る」。女性の社会進出を労働力として捉えるだけで、組織の意思決定に参画することを促すとしながら、女性閣僚はわずか1割です。学生には高学費、働く若者には長時間・過密労働、低賃金を強いて、さまざまな機会を奪ってきたのは自民党でしょうに▼もともと石破氏は国に頼るなと。以前の対談本でもあくまで基本は自助でありそれを補うのが共助、それでもカバーできないものが公助。その逆はあり得ないと、国民に自己責任を押しつけています(『こんな日本をつくりたい』)▼「地方を守る」も、能登の人たちが聞けば怒り心頭か。「日本を守る」も、軍事オタクのこの人に任せたらどんな事態になるのかと不安に。彼らが口にする「守る」とは自民党政治そのもの。いま求められているのは、「守る」よりも「変える」でしょう。