2024年10月5日(土)
岸田路線を全面継承
石破首相所信表明 改憲・辺野古推進
石破茂首相は4日、衆参本会議で就任後初の所信表明演説を行いました。冒頭、岸田政権の3年間で「幅広い分野で具体的な成果が実った」と持ち上げた上で、財界優先、米国言いなりの行きづまった政治をそのまま継承することを宣言しました。
石破首相は「(裏金議員一人ひとりに)反省を求め、ルールを守る倫理観の確立に全力を挙げる」と述べたものの、自民党の組織ぐるみの事件だとの認識は示さず、事件に直接関与した個々の議員の「倫理」の問題に矮小(わいしょう)化しました。
また、「国家安全保障戦略等に基づき、わが国自身の防衛力を抜本的に強化」するとして、岸田大軍拡路線の継承を表明。「基地負担の軽減」と称して、沖縄の民意を無視した辺野古新基地建設の推進を言明しました。首相在任中の改憲発議を期待するとも表明しました。
経済政策でも岸田政権を引き継ぎ、「デフレ脱却」を最優先に、「賃上げと投資がけん引する成長型経済」を実現すると発言。原発の利活用も表明しました。
一方、自民党総裁選で主張していた「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」や「核共有」など「石破カラー」と評されてきたものや、金融所得課税の強化、現行の健康保険証の廃止時期の見直し、選択的夫婦別姓導入などの政策への言及はありませんでした。