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2024年9月29日(日)

こちら社会部

日産リーフ 欠陥か

「水たまる構造」でサビ ボルト脱落

ユーザーが本紙に訴え

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(写真)サビで腐食し、ボルトが脱落した運転席側のアッパーマウント

 日産自動車「リーフ」は2010年に販売された量産型の電気自動車(EV)で、販売台数は65万台(23年時点)を超えます。本紙にメールを送ったAさん(47)=群馬県藤岡市=は愛車で起きたトラブルが「構造設計上の欠陥ではないか」と訴えます。車を見に行きました。(矢野昌弘)

 Aさんのリーフ(2014年ごろに展示車を購入)のボンネットを開けると、故障した箇所はサビつき、部品がずれていました。「アッパーマウント」という受け皿状の部品の運転席側です。タイヤの振動を吸収する緩衝装置をボルトで車体に固定する部品です。サビでそこのボルトが外れ、緩衝装置が固定されていない状態です。

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(写真)助手席側のアッパーマウントはボルトで固定されています

 5月、Aさんが運転中に前方から「ドーン」と大きな音がしました。タイヤ量販店で見てもらうと、「取れてはいけない部品が取れている。ハンドルが利かなくなるかも」と運転を止められました。リーフは、日産販売店にレッカー移動してから今も修理されずに置かれたままです。

 販売店に運んだ際、Aさんは「原因を文書で教えて」と伝えました。しかし日産からは連絡がありません。Aさんが「原因を本社に聞きましたか」と尋ねても、販売店は「忘れていた」とまともに対応しません。

 7月に本社所属の社員も交えた話し合いがありました。日産側は「リコール対象でもないし、保証もない部分なので、修理は有償」と発言。しかし「原因は何ですか」と尋ねると、日産側の6人は沈黙したままでした。

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 Aさんが、サビができる原因を実演してくれました。フロントガラスに水をかけると、ワイパー脇の穴に流れ込む水が運転席側のアッパーマウントに注ぎこまれていきました。一方の助手席側には水が入りません。

 国土交通省に寄せられた自動車の不具合情報には「右フロントサスペンション取付部上部がサビによる腐食で抜け落ちた」など、Aさんと似た事例が11件ありました。

 日産は本紙に「運転席側のストラットマウント上部(アッパーマウント)に水がたまる構造」だと認めました。しかし「常に水が存在するわけではなく、発錆(はっせい)しさらに破断まで至ることはまれ」と言います。さらに「(破断が)原因で不安全となる車両挙動は無く、走行不能、操縦不能には至りません」と言います。

 Aさんは「整備士からも運転を止められたほどなのに、『走行不能には至りません』という日産の回答はおかしい。欠陥を認めたくないからではないか」といいます。


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