2024年9月27日(金)
マイナ保険証「対応できない」
東北の医師ら 政府に方針撤回要望
高橋氏が同席
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東北6県の医師・歯科医師でつくる東北保険医団体連絡会は26日、国会内で、現行の健康保険証廃止の撤回や、物価高騰から医療を守る財政措置と診療報酬の大幅引き上げを求める要望書を政府に提出しました。日本共産党の高橋千鶴子衆院議員が同席しました。
政府は、12月2日から現行の健康保険証の新規発行を停止し、マイナ保険証に一体化する方針。マイナ保険証を持っていない人には、資格確認書を交付するとしています。
岩手県保険医協会が4~5月に高齢者や障害者施設を対象に実施した調査では、マイナ保険証の申請や管理は、「本人の意思が確認できない」などの理由で「対応できない」との回答が大半を占めました。
同協会の小山田栄二会長は、マイナ保険証の利用率の上昇に伴い、現場ではトラブルが増えていると指摘。現行の保険証が使えなくなれば「想像もつかない大混乱が起きるのではないか。現行の保険証を残せば解決できる」と強調しました。また、自民党総裁選に立候補している河野太郎デジタル相が、全国保険医団体連合会のマイナ保険証を巡るトラブル調査に対し「百害あって一利なし」などと発言したことに言及し、「非常に憤慨している」と述べました。
同協会の黒田康之副会長は、今後マイナ保険証によるトラブルによって、患者が受診せずに帰宅後、急変し死亡する例が全国で起こる可能性があると懸念。各県の協会代表者も、資格確認書の手続きの煩雑さや、マイナ保険証を読みとるカードリーダーを導入できない現状を訴えました。
厚労省の担当者らは、マイナ保険証と資格確認書などで保険医療を整備するなどと従来通りの回答に終始しました。
物価高騰の問題をめぐっては、連絡会側は診療報酬改定で新設された「ベースアップ評価料」では使途が限定され物価高対策にならないと指摘。厚労省側は「内閣府の重点支援地方交付金を活用してほしい」と述べるにとどめました。