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2024年9月26日(木)

主張

男女間の賃金格差

是正・解消の仕組みづくりを

 国連の女性差別撤廃委員会の日本についての審査が10月に行われます。

 日本はこれまで国連から男女賃金格差について、「同一価値労働同一賃金原則の実施が不十分」「コース別雇用制度に一部起因する女性の雇用の低賃金の領域への集中」「家族責任があるために女性のパートタイム労働への集中」などを指摘されています。

 男女賃金格差は2022年7月から公表が始まりました(301人以上規模の企業に義務付け)。日本共産党が長年、国会などで求めてきたもので、世論と運動の成果です。厚生労働省は8月1日、公表義務付けの対象を101人以上に拡大する方針を決めました。

■大企業ほど格差大

 厚生労働省のホームページ「女性の活躍推進企業データベース」をもとに、男性を100としたときの女性の賃金割合の平均を企業規模別に集計したところ、規模が大きくなるほど、男女賃金格差が大きくなっています。

 正規・非正規を含めた全労働者でみた場合、男性に対する女性の賃金は、従業員301~500人で70・9、501~1000人で69・4、1001~5000人で67・8、5001人以上で67・3でした。

 とくに、経団連役員企業の平均は全労働者で66・6、正規雇用で69・5、非正規雇用で64・2でした。

 金融・保険業では、格差がより深刻です。日本生命は、全労働者で38・5、正規雇用で40・2、非正規雇用で32・6と、女性の賃金が極めて低く抑え込まれています。

 三井住友銀行の場合、非正規雇用は女性だけで、男女の賃金格差を算出していませんでした。

■世界に遅れる日本

 大企業における賃金格差の背景には、管理職に占める女性比率の低さとともに、国連も問題として指摘するコース別人事があります。男性の採用が多い総合職に比べて、女性が圧倒的多数の一般職は賃金・待遇が低く据え置かれています。

 世界経済フォーラムが発表した世界各国の男女平等度を示す「ジェンダーギャップ指数」(2024年版)で、日本は調査対象146カ国中118位と下位に低迷しています。主要7カ国(G7)では87位のイタリアに大きく離されて最下位を続けています。日本の順位を下げている決定的な要因は、政治への女性の進出の遅れとともに、男女の賃金格差など経済分野での遅れです。経済分野は120位と最低クラスです。管理職に占める女性割合は130位、男女の所得格差は98位と停滞しています。男女の賃金格差は、年収で240万円、生涯賃金で1億円にのぼります。

 日本共産党は、「経済再生プラン」で▽企業ごとの男女賃金格差の公開を徹底、企業は是正計画を作成・公表し、その履行を国が指導督励する仕組みをつくり賃金格差を是正する▽同一価値労働同一賃金、均等待遇を労働法で明文化する▽間接差別を禁止し、雇用形態による差別や低賃金の業務に女性の比率が高いことなどについて、是正措置をとること―を提案しています。

 女性差別撤廃委員会の日本審査を前に世論を広げ政府に迫りましょう。


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