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2024年9月26日(木)

断水・停電 疲れ果て

土砂崩れ 安全早く

能登豪雨現地ルポ

 記録的な大雨で土砂災害が発生した石川県の奥能登地方(能登半島北部)では、道路の寸断で複数の集落が孤立状態になっています。同県珠洲市の市街地から山を越えた外浦地域の集落では25日、住民らが二次災害への不安や断水・停電が続く中で生活の不便さを訴えました。(田中真聖、丹田智之)


 日本海に面した珠洲市折戸町で暮らす男性(65)は、強い雨が降り続いた21日の朝に「ガサッという音がして家の裏の崖が崩れた」と話します。

 同居する80代の母親と近くの公民館に避難し、自宅に戻ると裏山の土砂や倒れた木が外壁に押し寄せていました。「もう一回、同じ場所が崩れたら家がつぶれてしまう。早く安全に住めるようにしてほしい」と市に対応を求めています。

 折戸町では川の増水で橋のたもとにある水道管が破断し、集落の一部や仮設住宅で断水が続いています。

 元日の地震でも断水を経験した男性(73)は「毎日2~3回、山の湧き水をくみに行き、トイレや洗濯に使っている。風呂は温めた水を頭からかぶる。2度目の災害による断水で、もういやになった」と疲れ果てた様子です。

 夫と同市馬緤(まつなぎ)町に住む女性(76)の自宅は床下まで浸水。土砂や流木でふさがれた川と裏山の両方向から水が押し寄せました。「まるで池のような状態だった。山の方から2~3個の大きな岩が落ちてきて怖かった」と振り返ります。

 女性は大雨の予報が出ていた20日の夕方ごろに近くの施設へ避難しました。

 大雨の影響で停電し、4日がたっても復旧していません。水道も少量の水が出るだけ。「自宅の片付けは日中に行い、夜は避難所に戻る生活を続けている」といいます。地震で自宅が準半壊し、公費解体を待っています。8月まで同県宝達志水町の親せき宅で避難していました。「少しずつ日常が戻ってきた中で襲った豪雨災害。家の裏にある崖も再び崩れそうで心配だ」と不安を募らせています。


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