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2024年9月25日(水)

学費値上げ正式決定

東大生「運動続ける」

学生を排除 拙速 無償に向かうべき

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(写真)学費値上げ阻止集会で相原副学長に決議を渡したことを報告する学生(正面右)と院生=18日、東京都文京区の東京大学で(主催団体提供)

 10日の改定案発表からわずか2週間で、学生多数の反対の声を押し切って学費の値上げを24日に決定した東京大学当局に対し、行動してきた学生からは抗議と今後も運動を継続していくとの声があがりました。

 17日に相原博昭副学長に2万7500人超の値上げ反対署名を手渡した教養学部4年、金澤伶さん(21)は、「学生に影響の大きい値上げを、学生を排除し拙速に決定したことに抗議します」と話します。

 「決定前に当事者の声を真摯(しんし)に聴くのが筋だ。学生と連携して運営費交付金の増額などを国に求めてほしかった。今後は学部ごとに自治会を再建し、大学と密に交渉をしていきたい」と話します。

 18日には文学部学生連絡会などが安田講堂前で集会を行い、決定の延期を求める集会決議を相原副学長に手渡しました。集会に参加した教育学部3年の学生(22)は、「ハナから学生の意見を聞く気を感じなかった」と大学の姿勢を批判します。

 学生は愛知県出身。父親の年収が下がったため、祖父が学費と家賃を支払い、貸与型奨学金とアルバイトで生活。受験は東大1校のみでした。「10万円をバイトで払えば80~90時間、毎日15分余分に働く必要がある。学費値上げは、今も少ない地方から東大に進学する選択肢を奪うダメ押しになる」と危惧します。

 教養学部学生自治会は学友会学生理事会、教育学研究科学生協議委員会と連名で12日から5日間「授業料値上げに関する第2次全学一斉アンケート」を行いました。東大が示した授業料値上げと年収600万円の世帯まで授業料減免を拡充する案に対して、「反対」「どちらかといえば反対」が約8割を占め、「賛成」「どちらかといえば賛成」が約2割でした。約9割の学生が反対した5月のアンケートより反対意見が減ったものの「依然として反対の声は学生の大多数」(第2次アンケート中間報告)です。

 反対の理由として「学生が決定プロセスから排除されている」(61%)、「大学の費用を負担するべきは学生ではない」(55%)、「支援策からこぼれ落ちる学生がいる」(53%)をあげています。

 東京都目黒区の駒場キャンパスに「学費10万円値上げ撤回を」と呼びかける立て看板を設置した民青同盟東大駒場班の学生(21)は「学費は無償に向かうべきで、大学予算増額こそ必要です。国が削減した運営費交付金を元に戻せば値上げは必要ない。決定に抗議し、学費値上げの圧力を強める自民党政治を変えようと訴えていきたい」と話しています。(染矢ゆう子)


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