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2024年9月24日(火)

きょうの潮流

 ようやく生活の再建に踏み出そうとしていた能登の人びとを襲った無情の豪雨。家は浸水し、がけが崩れ、道路は寸断され、多くの孤立集落が。停電や断水も各地で起きています▼復旧工事中の国道トンネルでは土砂崩れが発生。作業員や近くの住民が巻き込まれました。水害は仮設住宅にも。避難所生活を経てやっとの思いで入居した住民は「また一からやり直しだ」と肩を落とします▼能登半島を襲った元日の地震は、町をくらしを、ずたずたにしました。ガレキと化した街、波打つ道路、押しつぶされた家々…。町全体が大きくゆがみ、平衡感覚さえ失うようなありさまでした。住民は復興に何年かかるかわからないと途方に暮れていました▼そこへ苦境の追い打ちです。いま、懸命に前を向こうとしている人たちをどう支えるか。緊急の支援とともに、きめ細かい対応が求められています。先の地震の際には初動の遅れが指摘され、その後も対応は後手に回り、被災地に冷たい国の姿をあらわにしました▼命をつなぐための食料や水を早く届け、インフラを整備し、住民の命や安全を確保することは国や自治体の責任です。これ以上、犠牲者を出さないための対策も必要です▼過疎化や人口減少に拍車がかかる能登。地方を切り捨ててきた国の姿勢が改めて問われています。災害からの復旧復興は、くらしの立て直しとともに被災者の心のケアも欠かせません。気力も心も折れそうな叫びに真摯(しんし)に耳を傾け、手を差し伸べることが急がれます。


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