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2024年9月23日(月)

きょうの潮流

 先のアジア太平洋戦争の最中、中国大陸で国際法に違反する細菌兵器開発と細菌戦を極秘に強行した731部隊(関東軍防疫給水部)▼部隊の少年隊員として過ごしたことを後悔して、平和の語り部活動をする94歳の清水英男さん。8月、戦後初めて部隊跡地を訪ね、犠牲になった人たちに謝罪したことが中国国内で大きく取り上げられています。中国外交部の報道官は「歴史に向き合い、真相を暴露した勇気を称賛する」▼日本は敗戦直後、大量の化学兵器(毒ガス弾)を秘密裏に中国各地に遺棄しました。「遺棄化学兵器の除去は、歴史上残された重大問題。現実に中国人民の生活と環境に損害を及ぼしています」。こう指摘するのは、戦争と医学医療研究会会員で、清水さんに同行した原文夫さんです▼化学兵器禁止条約について、日本は1995年、中国は97年に批准。日中両政府は99年に「中国における日本の遺棄化学兵器の廃棄に関する覚書」に署名しましたが、実際の廃棄・除去は、日本に誠意がなく遅々として進んでいません▼どこに遺棄したのか、中国側は知らないことです。国防部報道官は、「清水さんのように歴史に誠実に向き合って謝罪し、国際公約と2国間の覚書を適切に履行することを求める。一日も早く、きれいな土地を返せ」と▼「戦後80年たっても戦争犯罪が続いているということ。加害者責任として全力で実行すべき重大事です。日本政府の逃れられない歴史的、政治的、法律的責任です」。原さんの指摘は重い。


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