2024年9月14日(土)
公安の住民監視「違法」
大垣警察市民監視事件 全国初の判断
名古屋高裁
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風力発電計画について学習会などを開いていた市民4人の個人情報を、岐阜県警大垣警察署の警備課(公安警察)が電力会社に提供し、監視の“協力者”として情報収集させた「大垣警察市民監視事件」で、県や国に損害賠償や個人情報の抹消を求めた控訴審の判決が13日に名古屋高裁でありました。長谷川恭弘裁判長は「収集目的自体が違法。社会的相当性がない」として、公安警察による個人情報の収集、保管、外部への提供のいずれも違法として、県に110万円(一審は55万円)の賠償と、収集され電力会社との議事録に記載された原告の個人情報の抹消を命じました。
原告弁護団によると、公安警察による情報収集を違法としたのは初めて。個人情報の抹消を命じたのも初めてといいます。
一審の岐阜地裁判決は、電力会社への情報提供について「悪質」として違法としたものの、公安警察の収集・保管については「原告らに関する情報収集等をする必要性があったことは否定できない」として違法とはしませんでした。また、警察庁と県警が持つ被害者4人の個人情報の抹消請求については却下していました。
控訴審判決は「電力会社への情報提供行為や、原告らの情報収集及び保有はいずれも違法ないし著しく社会的相当性を欠いた不当な目的で行われた」としました。
判決後の会見で、原告の近藤ゆり子さん(75)は「望みうる最高の判決」と笑顔を見せました。