2024年9月13日(金)
きょうの潮流
「サナエあれば、憂いなし」「意外と敏充」。自民党の総裁選に立候補した人のスローガンです。前者は高市早苗・経済安保担当相、後者は茂木敏充幹事長の▼「困ったときの林芳正」「有事の今こそ、河野太郎」とも。ダジャレなど論外ですが、これが首相をめざす人たちのアピールかと思えば薄ら寒い。意味不明な発言で知られる小泉進次郎元環境相は「決着 新時代の扉をあける」。何に決着を?▼過去最多の9人で争う総裁選。なかには選択的夫婦別姓の実現をはじめ、保険証廃止の延期や学校給食の無償化、軍拡増税はしないなどと主張する候補者も。どれも国民の多くが求めながら、ことごとく自民党が押しつぶしてきたものばかりです▼いずれの候補者も政策決定の中心に座ってきた人物。それなのに反省もなく手のひらを返すとは「あまりにも無責任だ」と共産党の小池書記局長。その裏で「政治とカネ」については1人も企業・団体献金の禁止を口にせず、改憲には声をそろえて▼自民党派閥の裏金スクープで「しんぶん赤旗」日曜版がJCJ(日本ジャーナリスト会議)大賞に選ばれました。「大政治犯罪」を明らかにし、裏金問題を「いま最大の政治的焦点」にしたのは「この報道がなくしてはできなかった」と▼この問題は自民党の本質にかかわり、いかに政治をゆがめてきたかを物語っています。生まれ変わるというなら、まずはそこから。ですが、どの候補が総裁になろうとも大本からの転換は望むべくもないでしょう。