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2024年9月11日(水)

日本軍「慰安婦」は誘拐拉致

強制示す証拠を政府公認資料に

国会図書館報告へ

 戦前に15人の日本人女性がだまされ長崎県から中国・上海の「海軍指定慰安所」に送られた事件で誘拐などの有罪を確定した大審院(現・最高裁)判決の判例が、国立国会図書館から内閣官房へ送付されることが10日までに分かりました。判例は日本軍「慰安婦」が誘拐拉致されていたことを示すものです。

 政府は「河野談話」(1993年)に基づき「いわゆる従軍慰安婦に関連する資料」を収集・保管しています。

 日本共産党の紙智子参院議員が7月23日に同判例を収録した「大審院刑事判例集」を所蔵する国会図書館に協力を求めたことに対し、国会図書館が「関連資料」を収集・保管する内閣官房副長官補室に「関連資料」として報告すると回答しました。

 歴史研究者や市民は長年、同判例を「関連資料」に認定するよう求めていました。

 法務省は、同事件の下級審の概要を内閣官房副長官補室に報告しましたが、判決文は報告しない態度をとり続けていました。

 日本軍「慰安婦」問題解決全国行動の小林久公氏は、「関連資料」認定を歓迎した上で、「判例は政府見解の根幹を崩すものです。『強制はなかった』との国会答弁や強制性を否定した歴史教科書を合格させる方針は、ただちに改めるべきです」と強調しました。

強制否定 政府見解撤回を

紙参院議員が談話

写真

 「満州事変陸軍衛生史」の「慰安所」設置基準に続き、今年2例目となる大審院刑事判例集の判例を「慰安婦」資料を収集している内閣官房へ送付することが明らかになりました。政府が日本軍「慰安婦」問題で強制性を示す根拠になりうるものです。長年の市民の研究と運動の成果で、きわめて重要です。

 戦前に女性を性奴隷状態にした「慰安所」の設置や管理、女性の移送で日本軍の関与と強制を認めた「河野談話」に基づき、政府は早急に強制性を否定する見解や方針を撤回すべきです。

 また、政府は民間研究者らが発見した資料を「関連資料」に含めようとしません。「民間の研究を含め、十分に関心を払」うとした「河野談話」に背く姿勢が厳しく問われます。


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