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2024年9月10日(火)

欧州訪問 8/29~9/10

アジアと欧州の平和 「核兵器のない世界」へ協力

志位議長、フランス共産党全国書記と会談

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(写真)握手を交わすルセル全国書記と志位議長=7日、パリ

 日本共産党の志位和夫議長は7日、パリ市内のフランス共産党本部で、同党のファビアン・ルセル全国書記と首脳会談を行いました。ルセル氏は、同党の全国評議会や大規模集会への参加の合間を縫って会談にのぞみ、両氏は大軍拡など情勢に対応して両党の協力と連帯の関係をいっそう強化することで合意しました。

 志位氏は、「両党は長い交流の歴史がありますが、日本共産党の議長や委員長がフランスを訪問して会談を行うのは今回が初めてとなります」と述べ、「今回、フランスをはじめ欧州歴訪を行ったのは、東アジアと欧州でかつてない規模での大軍拡がすすみ、連帯した闘いが急務と考えたからです」と強調。ルセル氏は「平和の課題はまさに中心問題です」と応じ、平和について活発な意見交換となりました。

 ルセル氏は、両党はウクライナへのロシア侵略を非難し、パレスチナ自治区ガザでのジェノサイド(集団殺害)を止めることでは共通した立場にたっていると指摘。ウクライナ侵略を利用して米国が北大西洋条約機構(NATO)の拡大・強化を進めていることに強く反対すると述べ、「フランスの自主性を守る立場から、NATOから離脱し、欧州のすべての国と安全保障に関する新しい取り決めを結ぶことを提案しています」と述べました。

 これに対し、志位氏は、党の「東アジア平和提言」の概要を説明したうえで、「欧州のすべての国を対象とした安全保障の取り決めについての言及がありましたが、たいへん大事な方向だと思います。私たちも、先の展望として、欧州安全保障協力機構(OSCE)の再活性化など、欧州のすべての国を包み込む形での包摂的な平和の枠組みが必要ではないかと考えています。軍事一辺倒ではなく外交の出番です。ガザ危機の打開、ウクライナ侵略の中止、大軍拡反対で連帯を強めたい」と述べました。

 両氏は、アジア太平洋の情勢や、アジアに対するNATOによる関与の強化についても意見交換。ルセル氏は、「アジアの問題での日本共産党の分析は、私たちとも共通の方向です」と述べ、外交の重要性を強調しました。

 志位氏はまた、核兵器禁止条約を推進する協力強化を提案。ルセル氏は来年、被爆80年を迎えるにあたり、連帯を強めたいと応じました。

 ルセル氏は、直面しているフランスの国内政治情勢、とりわけ極右が台頭している状況の分析と闘いの方向性について詳しく述べました。志位氏は「排外主義は人権、人類に対する恥ずべき挑戦であり、これを許さない闘争は国際連帯の課題です」と述べ、連帯を表明しました。

 両党は、「共産主義と自由」など科学的社会主義の理論面でも交流を強めることでも合意しました。

学費問題についても意見交換

 志位氏は、フランス共産党のバンサン・ブレ全国執行委員・国際担当責任者との会談で、ほぼ無料となっているフランスの公立大学の学費について、その背景にある考え方について質問しました。ブレ氏は「労働運動の高まりの中で19世紀後半から教育の無償化が法制化されてきましたが、これは、フランスの共和主義を担い支える批判的精神を持つ市民を育てるためにはすべての人への教育が必要であり、教養を高めなければならない。したがって、フランス共和主義にとって無償化は当然のことなのです」と説明しました。志位氏は、学費無償化の背景に教育の公共性に対する歴史的に形成された高い評価があるということに強い感銘を受けたと述べました。


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