2024年9月8日(日)
弾薬庫新設へ 4施設調査
概算要求で計上 祝園は本体工事へ
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防衛省は、安保3文書に基づく弾薬庫の新設を巡り、新たに4施設で新設に向けた調査を2025年度に実施すると明らかにしました。25年度予算案の概算要求で関連経費を計上しました。また調査・設計を進めていた陸上自衛隊祝園(ほうその)分屯地(京都府精華町)で初めて本体工事の経費が盛り込まれました。
政府は、敵基地攻撃に使う長射程ミサイルの大量取得に伴って、32年度までに大型弾薬庫130棟を建設する方針。攻撃対象となる弾薬庫の拡大に、地元の懸念や反対が広がるのは必至です。
今回新たに、海上自衛隊佐世保地方総監部(長崎県佐世保市)に3棟程度、航空自衛隊鹿屋基地(鹿児島県鹿屋市)に2棟程度を新設するための調査費を計上。海自舞鶴地方総監部(京都府舞鶴市)の隣接地と、陸自瀬戸内分屯地(鹿児島県瀬戸内町)の隣接地でさらに増設が可能かを検討する適地調査を行うとしています。
また、祝園分屯地8棟、大分分屯地(大分市)5棟の工事費や調査設計費を計上。えびの駐屯地(宮崎県えびの市)3棟、瀬戸内分屯地3棟の設計費などを盛り込みました。
防衛省は弾薬庫の整備費として概算要求に358億円を計上しました。保管する弾薬の種類は「答えられない」としていますが、長射程ミサイルが配備される恐れがあります。
とりわけ、海自イージス艦が配備されている佐世保、舞鶴では、イージス艦への搭載が狙われている米国製長距離巡航ミサイル・トマホークが配備される可能性もあります。
現時点で防衛省は青森、京都、大分、宮崎、鹿児島、沖縄の6施設で弾薬庫の新設を決め、北海道や広島、長崎で計画されています。祝園、大分両分屯地と大湊地方総監部(青森県むつ市)を巡っては、弾薬庫の建設中止を求める市民団体が立ち上がり、声を上げています。