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2024年9月5日(木)

万博矛盾 いのち危険

「安全宣言」を出せない

 2025年大阪・関西万博が深刻な矛盾と行き詰まりに直面しています。維新・府市政と自公政権がカジノ計画との「相乗効果」をねらって、大阪湾の人工島「夢洲(ゆめしま)」に誘致したものの、ガス爆発の危険や災害時のリスクが顕在化。国民の関心は低く、カジノ工事が万博開催と重なり騒音などで足を引っ張るなど、破たんの淵に立たされています。


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(写真)建設中の万博会場。左は円形の大屋根、右の白い施設は大阪パビリオン=大阪市・夢洲

 現役の廃棄物処分場でもある夢洲1区の会場予定地では、地中から可燃性のメタンガスが発生し続けています。3月の爆発事故現場となった東トイレの地下ピット(空間)では、直ちに労働者を退避させなければいけない濃度のメタンガスを3カ月で76回も検知、うち17回は着火により爆発する濃度に達していました。1区にある83本のガス抜き管からは1日約1・5~2トンのメタンが出ています。

 万博協会が「ガスの発生はない」と決めつけていたパビリオン周辺でも5カ所(迎賓館、日本館、大阪館の各付近、EXPOホールの地下ピット)で検知されるなど、会場のどこでもガスが発生する恐れがあります。

 万博協会は「安全は開催の前提。信じて来て、楽しんでください」(藁田博行整備局長)などと語っています。しかし、部分的なガス濃度の測定や換気を行うだけで、肝心の「安全宣言」を出すことができません。メタンガスの濃度は刻一刻と変わります。工事の進展に伴って“想定外”の所にたまる恐れもあります。広大な万博会場全体を常時とらえる対策は困難であり、夢洲が万博会場に最も不適切な場所であることは変わっていません。

 協会は開催中に爆発した場合の対応をただした和歌山県に「会場内に常駐する大阪市消防等と立ち入り規制や避難誘導等を行う」と説明しています。どれだけ危険かを自ら認めているのと同じです。


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