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2024年8月31日(土)

DNA型 二審も廃棄命令

無罪男性巡り 企業にも賠償命じる

名古屋高裁

 高層マンションの建設に反対する住民男性から「突き飛ばされた」として工事の現場監督が110番通報し、男性が逮捕、起訴され、その後に無罪が確定した事件をめぐって、その男性が国や愛知県、建設会社に損害賠償と警察が収集したDNA型の抹消を求めた裁判で、名古屋高裁(長谷川恭弘裁判長)は「被害申告は虚偽のものであったと認められ、(男性は)多大な精神的苦痛を被った」として一審判決を変更して建設会社側に220万円の賠償を命じました。

 また、男性の無罪が確定した後も警察庁がデータベースに「被疑者DNA型記録」として登録した男性のDNA型記録を一審に続いて、廃棄を命じました。男性が国と愛知県に求めた賠償は一審に引き続き、棄却となりました。

 訴えているのは薬剤師の奥田恭正さん(67)=名古屋市瑞穂区=です。2016年に高層マンション工事を強行した建設会社に、住民運動のリーダーとして話し合いを求めていました。会社側はこれを拒否し、たびたび110番通報で警察を現場に呼び、工事を見守る住民を威嚇していました。

 同年10月に、奥田さんの前に立ちはだかった現場監督の男性が後ろに倒れました。奥田さんは現行犯逮捕され、14日間の勾留の後、起訴されました。18年に名古屋地裁は奥田さんを無罪(確定)としました。奥田さんは同年、この裁判を起こしました。


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