2024年8月29日(木)
自民総裁候補 裏金解明に背
自民党政治終わらせる大改革こそ
裏金事件などで政治不信を招いたとして、「身を引くことでけじめをつけ、(自民党)総裁選に向かっていきたい」と政権を投げ出した岸田文雄首相。いま、その総裁選で後継を争う人物は、事件の真相解明にも、抜本的改革にも背を向けてきた政治家ばかりです。
河野太郎デジタル相は、26日の総裁選出馬発表会見で、「不記載問題」(裏金事件)は「真相究明もすることができず」にいると認めながら、「不記載になってしまった金額を返還することで、けじめとして前へ進んでいきたい」などと語りました。“返せばいいだろう”という開き直りです。
河野氏は「国庫」に返すなどと言いますが、パーティー券購入者でもない国は返還先になりえず、まったく意味のない思い付きの無責任な発言です。
“非公認”取り下げ
石破茂元幹事長は24日、地元の鳥取県八頭町で総裁選への立候補を表明したさい、裏金議員については「公認するにふさわしいかどうか、徹底的に議論すべきだ」などと語り、「非公認」とする考えを示唆しました。しかし、翌25日には「新体制になってからどうするのか決める。(総裁に)なってもいない者が予断をもって言うべきではない」と後退し、26日のテレビ朝日番組では「この(公認の)権限を持っているのは、自民党は選挙対策委員会だ」などと、前言を事実上取り下げました。
再調査にも否定的
「若手のホープ」の小林鷹之衆院議員は19日の会見で、裏金事件を再調査するかとの質問に「一人ひとりの政治家が自ら説明責任を果たしていく、これが原則だ」などと否定的発言に終始。この会見に顔をそろえた25人の自民党議員のうち11人は裏金議員だったと報じられています。
各候補の真相解明への後ろ向きな姿勢には、総裁選に向け派閥や裏金議員の不興を買いたくないとの打算があります。不十分な自民党のアンケートでも85人が裏金づくりをしていたことが判明しており、それらの裏金議員の投票が総裁選の決選投票の結果を左右するとみられるからです。
「朝日」の世論調査(24、25両日実施)では、「新総裁は派閥の裏金問題の実態解明を進めるべきだと思うか」との問いに、「進めるべきだ」が70%を占めました。一方、テレビ朝日の調査(24、25両日実施)では、総裁選が「自民党が変わるきっかけになると思いますか」との問いに、54%が「思わない」と答えています。
日本共産党の田村智子委員長は27日の講演で、裏金事件について「自民党という政党の本性が問われる問題だ」と述べ、自民党政治を終わらせる大改革が必要だと強調しました。








