2024年8月23日(金)
アルゼンチン 61大学教員らスト
大幅賃上げ・予算増要求
南米アルゼンチンの国立大教職員がインフレに見合う大幅賃上げを求めて20~21日、一斉ストライキに立ち上がりました。大学教員連合(FEDUN)によると、全国61の大学でストが行われ、参加者は大学予算の増額も要求し、「大学を守ろう」と訴えました。
昨年12月に発足した右派のミレイ政権は、公教育への支出を切り詰め、大学の運営費とともに教職員の給与を最小限に抑えようとしています。
教職員らは4月にも全国的なストや抗議行動を組織し、一定の賃上げを実現してきましたが、インフレ率が賃金の伸びを上回っています。
FEDUNは、昨年12月~今年7月のインフレ率が133%に対して、同時期の賃金増加率は71%で、少なくとも62%の賃上げが必要と主張しています。
これにたいし、政府側は、今月初めの交渉で、8月に3%、9月に2%の賃上げ案を提示しただけ。教職員は、この案を「挑発的」「悪ふざけ」だと怒りを募らせ、スト実施に踏み切りました。
ブエノスアイレス大学(UBA)の建物には「尊厳ある賃金がなければUBAは機能しない」と書かれた垂れ幕が掲げられました。大学当局もストを支持し、予算不足による危機を訴える動画をSNSで配信しています。
同大学のヤコビッティ副学長は20日、地元紙に「こんな短期間に高等教育分野でこれほど乱暴な緊縮策を行った政府は歴史的になかった」とコメントし、ミレイ政権の政策を厳しく批判しました。